本音と建前をできる限り一致させる〜ありのままに楽な気持ちで生きるために

だいぶ前、フジッコの柴漬けのCMが話題になったことがありました。

一分の隙もないピンヒールでカチッとスーツ姿の若い女性が、カツカツと音をさせて颯爽と廊下を歩いてきて、とあるドアを開ける。後ろ手でドアを締めた途端、はあ〜、っと深い溜め息をつき、斜め上を見つめて「柴漬け食べたい」とつぶやき、そして玄関にズルズルっとしゃがみこむ。

そんなCMでした。隙のないキャリアウーマンが、自室に入った途端、スマートとは真逆の柴漬けを欲する、そのギャップがすごく話題になったのでしたが、当時、ある精神科医が「私はこのCMに危ういものを感じる。この女性は外向きの自分と内向きの自分のギャップが大きすぎる。こういう人はストレスを抱えやすいので心配だ。」とコメントをしていて、立場が違えば見る視点もずいぶん異なるんだなあ、と印象的でした。

たかがCMにここまで心配する必要もないでしょうが、今の私なら同じ感想を抱くと思います。

*外向きの自分と内向きの自分

*本音と建て前

これらにギャップがあるということは、どちらかがより本当の自分に近く、どちらかが自分とかけ離れているということです。したがって、自分や周囲に対して、そのギャップを埋めるための理由や理屈をつねに考えていなければなりません。それは有限であるエネルギーの浪費になり、本当に大切なことに使うべきエネルギーが減少してしまいます。

最初にあげた柴漬けのCMに出てくる女性を例に取ると、ありのままの自分に近いのは、柴漬けを食べたい自分であって、それ以前の自分は「かくあるべし」という自分を演じているわけです。演じる理由は彼女なりに色々とあるのでしょうが、外でも「柴漬けをこよなく愛する庶民的な女性」だけれども仕事もできる、というスタンスをとっていれば、24時間自然な気持ちで過ごすことができたかもしれません。

*嘘をつかず、正直でいること

*外向きの自分を頑張りすぎないこと

*本音と建前を近づけること

これらは自分の大切なことにエネルギーを集中させるためにとても大切なことです。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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