先日、こんな話を聞きました。
「『うちの会社は自由が社風だから、服装も自由でいいんだよ!』と上司から言われたんです。すっごく暑い日だったし、社外の人との打ち合わせもなく、一日中社内で資料作成の予定だったので、ショートパンツで出社しました。そうしたら、オフィスに着くなり空気が微妙になっちゃって。そのあと、服装に関する社内の決まりができて、びっくりです」
いや、思わず吹き出しました。
皆さんの周りでも、こんなこと、ありませんか?
●「自分で考えてやって」と言われたから考えて進めたら、「そうじゃない!」と怒られた。決まったやり方があるなら、最初からそう言ってよ!
●「何でも聞いて」と言われて質問したら、「そんなことくらい自分で調べろ」と返された。
●「うちが求めているのは、とんがった人材だ」と言うので、のびのびやっていたら「常識がない!」と叱られた。
表のメッセージと、裏のメッセージ
服装の話を聞いた途端、私は「まさに、ダブルバインドだな」と思ったんです。
ダブルバインドとは、直訳すると「二重拘束」。
矛盾する二つのメッセージを同時に相手に投げかけることで、相手を混乱させ、強いストレスを与えてしまうコミュニケーションのことです。
冒頭の服装の話でいえば、表のメッセージは「自由でいいよ。それがうちの社風」。でも裏には、「ただし、常識の範囲でね」が隠れていたわけです。
ほかの例も、同じ構図なんですね。
●「自分で考えてやって」⇔ でも、私のやり方でね
●「何でも聞いて」⇔ でも、自分で考えろ(聞いていいことと、聞くべきでないことがある。それは暗黙の了解)
●「とんがってほしい」⇔ でも、常識の範囲でね
どちらに従っても叱られる。言われた側からすると、逃げ場がないんですよね。
まずは、自分の言葉を振り返ってみる
では、ダブルバインドを言われたらどうすればよいのでしょうか?
これは正直、難しい問題です。ただ、ダブルバインドに気づいたら、それは裏のメッセージの存在にも気づいているということ。表向きにメッセージをあくまでも通すのか、裏のメッセージを解釈して無難に対応するか。
それはあなた自身が選べます。
一方で、ダブルバインドという言葉を知りその弊害を知っておくことで、自分自身がダブルバインドを発する側になるのを減らしていくこともできます。
ポイントは、裏に隠れている「ただし〜」を、最初から表に出しておくこと。
×「服装は自由でいいよ」 ○「服装は自由でいいよ。ただ、オフィスカジュアルの範囲でね」
たったこれだけで、相手は迷わずに済みます。安心感が生まれますよね。
あなたが最近口にした「自由に」「何でも」「任せるよ」。その後ろに、言葉にしていない「ただし」が隠れていませんか?
一度、振り返ってみても良いかもしれません。
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