「あのとき相談してくれていたのに、そんなにきつかったなんて気づけなくて・・・。もう少し早く対応しておけばよかったですね」
過重労働で体調を崩した出雲さん(仮名)。業務調整のために、上長を交えて面談をしたときのことです。
上長のこの言葉に、出雲さんはハッとした表情で、こう返しました。
「いえ、私こそ、もっと的確に伝えられていればよかったんです」
実は出雲さん、もともとこの上長が苦手でした。面談の前も「どうせわかってもらえないし・・・」と硬い表情。それが、この一言で空気がふっとやわらいだのです。その後の業務調整の話し合いも驚くほどスムーズに進み、二人の関係はこの日を境に変わっていきました。
耳の痛い話のあとに残る「釈然としない思い」
今日は、自分の責任にもサラリと触れておく、というポイントをお伝えします。
これは上下関係があるときに限ったことではありません。でも、特にあなたが上の立場であれば、部下に耳の痛いことを伝えなければならない場面は多いと思います。
耳の痛いことを伝えられた側は、「仕方がない」と頭ではわかっていても、なんだか一方的に責められたような、釈然としない思いを抱くことが多いものです。特に上司から言われれば黙って聞くしかないと考える部下は多いもの。
なぜ釈然としない思いを抱くことが多いのでしょう。
上司だってもう少し早く、注意してくれていたら・・・ もう少し早く、確認してくれていたら・・・ もう少し早く・・・
そんな思いが、心の中をかすかによぎるからですよね。
これは基本的に友人同士でも同僚でも同じです。
その思いを、あなたから先に言葉にする
ではこういうときはどうしたら良いのでしょうか?私がおすすめするのは、自分の責任にも一言触れるということです。
「もう少し早く、私も声をかけるべきでした」 「もう少し早い段階で、私も確認しておくべきでしたね」
たったこれだけです。
この一言があると、相手の中に「自分ばかりが責められているわけじゃない」「フェアに見てくれている」という納得感が生まれます。
だからこそ、そのあとの話に聞く耳が開いてくる。冒頭の出雲さんのように、「私こそ」と自分を振り返る余裕も生まれてきます。そこから信頼関係が育っていくんですね。
コツはサラリということ
ただし、気をつけたいことがあります。
自分の責任に触れることは、自分の過ちを認めることとは違います。
ここで深々と頭を下げて謝り続けたら、相手はかえって恐縮してしまいますし、肝心の伝えたいことがぼやけてしまいます。「え、結局どういう話?」となりかねません。
あくまでも、サラリと。一言添えたら、本題に戻る。それがコツです。
耳の痛いことを伝える前に、「私にも、もう少し早くできたことはなかったかな?」と、ちょっとだけ振り返ってみてください。その一言が、相手との関係を変えるきっかけになるかもしれません。
ぜひ、お試しくださいね。
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