相手との会話で、勝ち負けの土俵に乗らない(サッサと降りる)コツを産業医が伝授

こんにちは。伝え方改善コーチの本間季里です。あなたのコミュニケーションをより良くするために、あなたの性格を変えるのではなく、伝え方を変えるサポートをします。頭でわかった、ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

相手の勝ち負けの土俵に乗らない方が良い理由

話をしているとき、相手が随分上からものを言っているように感じるときがありませんか?

また、相手がすごく自分自身を下において話すので、変に持ち上げられた感じがして居心地の悪い思いをしたことはありませんか?

こういうとき、相手の勝ち負けの土俵に乗らない工夫が大切です。一旦勝ち負けの土俵に乗ってしまうと、「勝つか負けるか」というところに不必要なエネルギーを割くことになってしまうからです。

コミュニケーションにおける上下関係の捉え方

コミュニケーションでは、本来上下はありません。会話のゴールに到達するかどうかが大切。そこに、上下関係を絡ませるのは人間のエゴです。

「いえ、話をする相手は私の上司なので、当然そこに上下関係は発生します」と言いたくなるかもしれません。マナーとして、仕事だったらタメ口を聞かないなどのルールはあるでしょうけれども、会話には会話の目的、ゴールがあるはずです。

そのゴールに向かって行くことが大切なのであり、上下関係が大切なのではありません。その切り分けは非常に重要です。この切り分けができないと、相手に巻き込まれてしまうからです。

コミュニケーションとは勝ち負けではなく、信頼関係を築くもの

本来、コミュニケーションとは勝ち負けではなく、長い目で見たときに信頼関係が築ける、前向きに課題の解決ができるなどを目的としたものであるはず。つまり、同じゴールを目指し、同じ方向を向いていることが多いもの。

そこに本来勝ち負けはありません。

それでも、勝ち負けにこだわり、会話の中にその勝ち負けを持ち込んで自分が優位に立とうとする、あるいは自分が下手に出てなんとかうまくやり過ごそうとする場面に巻き込まれるときはたくさんあります。

勝ち負けの土俵から降りるコツ(具体的に、事例をいれる)

そんな勝ち負けの雰囲気を感じたら、できるだけ早く勝ち負けの土俵から降りることをおすすめします。どういうことかって?

会話の勝ち負けの土俵をさっさと降りる、自分なりの方法を持っているといいですね。

例えば私の場合は、あいてがはじめから争うような姿勢を示してきたときに、「あなたの言うことは私ももっともだと思います。たどり着きたい先は同じですね」など、あえて同じ方向を見ていることを相手に伝えます。これによって、同じゴールに向かう同士なのだから、私達が勝ち負けを競う必要はないよね、というメッセージを送ります。

あるクライアントさんは、チームメンバーがクライアントさんに無茶な要求をして反応を試そうとしていたそうです。クライアントさんはその要求を飲まず、淡々と自分の考えを繰り返し伝えることで、相手の勝ち負けの土俵に乗らずにすみました。ここで、クライアントさんが要求を飲んでしまったら、チームメンバーの土俵の上で、会話の勝ち負けの争いに乗ってしまうところでした。

会話の勝ち負けというエネルギー浪費を抑える

会話の勝ち負けを未然に防ぐのはなぜ大切なのでしょうか?

会話は本来、ゴールに向かうことが目的のはずなのに、勝ち負けという不毛なところにエネルギーを取られてしまうからです。あなたが会話をしていて疲れるのは、実はこういうところにも原因があります。

話のゴールに向かってエネルギーを集約させる

一見言い分は対立しているように見えても、ゴールは同じということは案外多いものです。そこを早い段階でしっかりと伝えることで、不必要な勝ち負けというエネルギー浪費を抑えることができます。

それによって、いちばん大切な、「話のゴールに向かってエネルギーを集約させる」ことができるようになります。

あなたは、勝ち負けの土俵から降りる、どんな方法をもっていますか?

伝え方に興味がある方はぜひ、ご登録ください。読むだけで、伝え方に関する視点が増え、知らず知らずのうちにあなたの伝え方が変わっていきます。

産業医・伝え方改善コーチ・本間季里のメールマガジン

キンドル出版しました

産業医として、伝え方コーチとして、毎日たくさんの方の話を聞いてきた経験を元に、「自分が疲れない話の聞き方のポイント」についてまとめた本です。
相手の役に立ち、親身に寄り添うことで、温かい関係性を作りながらも自分が疲れずに関わっていくためのコツが書かれています。
特に、身につけるスキルよりも、手放すとうまくいく考え方に多くのページを割いて、わかりやすい事例とともに解説しました。

この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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