組織の課題に早く気づくためには、必要なのはやっぱり多様性

こんにちは。伝え方改善コーチの本間季里です。あなたのコミュニケーションをより良くするために、あなたの性格を変えるのではなく、伝え方を変えるサポートをします。頭でわかった、ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

組織の不祥事が起きると「この組織に自浄作用はなかったのか?」という批判が必ず出ます。自分のこれまでの組織での振る舞いや、いろいろな人の話をお聞きする毎日の中で、「組織の自浄作用というものは、そもそも期待できないのではないか?そしてそれは仕方がないことなのではないか?」と、最近では考えています。そしてそれは無理のないことなのだとも。

組織の中にいる人が、問題に接したときに取る行動は2つあると思われます。

その1:問題に対して「おかしい」という認識はある。

その2:問題に対してそもそも「おかしい」という認識がない。

第一に、問題に関して「おかしい」という認識があれば、その人たちが問題を告発し改善しようと動くのではないか、と思われるかもしれませんが、実際にはそうはなりません。ほとんどの場合、見て見ぬ振りをしてやり過ごすことになるでしょう。なぜ、見て見ぬ振りをしてやり過ごしてしまうのか?それは、ほぼすべての人が評価をされる側の人間だからです。他のほとんどの人が声を上げていない問題に対して、自分が最初に声を上げるというのは非常に難しいことであり、それが評価と結びついている場合はさらに困難となります。また、「声を上げても何も変わらない」という無力感もあるでしょう。

第二に、組織に入ったときからほとんどの人はその組織に馴染み、貢献しようと努力します。そのためにはその組織の文化や習慣を受け入れていこうとします。文化や習慣が良いものだけならなんの問題もありませんが、文化や習慣の中には改善の必要があるものも当然混じっているはずです。それらも全てひっくるめて受け入れて馴染んで、そしてその組織の中で生きていく。したがって問題を問題として認識する感度が鈍ってしまうことは、ある意味仕方がないように思います。

そう考えると誰が、組織の内部の人間を責めることができるでしょう。では、どうしたら良いのでしょうか?   1つには、積極的に中途採用を増やし、外部での経験のある人をどんどん入れることではないかと思います。別組織での経験がある人には、違和感という形で問題に対する感度が高い可能性があります。「なんでこれする必要あるの?」「どうしてこれはこうなってるの?」そういう違和感に耳を傾けるのです。バックグランドの多様性をうまく使って、組織の課題に早めに気づき修正をしていくしかありません。同じ意味で、外部取締役の果たす役割もとても重要ではないでしょうか?

イノベーションのためには多様性がとても重要、ということはよく言われることですが、組織の課題、問題点を表面化させるためにも、多様性というのはとても大切です。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。