ドラマ「深夜食堂」から伝え方を学ぶ:相手との境界線を明確に、課題の分離を知ると楽に生きれる

こんにちは。ストレスマネジメント・コーチの本間季里です。コミュニケーションの方法を少し変えたり強みを知り活かすことで自分や相手への理解を深め、個人と組織の幸福度を高めるサポートをします。 

以前も書きましたが、私の好きなドラマの一つが「深夜食堂」です。常連客がマスターと呼ぶ店主の佇まいが好きであり、示唆に富むからです(以前の記事はこちらhttps://kiri3.com/archives/1034)。 

このマスター、親身に常連客の話を聴くのですが、その距離のとり方がとても良い。ついつい「ねえ、マスター、なんとかしてやってよ〜」などとおせっかいを持ちかける常連客や、「どうしたら良い?」と自分が決めるべきことをマスターに委ねようとする人にも、「そりゃあ、どうかな〜」「本人に聞いてみたら?」「あとはあんたが決めりゃあいいさ」とゆったりと落ち着いた声音で、簡潔に相手に伝えます。 

「自分がしゃしゃり出なくても、相手には自分で乗り越えていく力があるはず。」そう心から思っているようにも、「それはその人が決めることさ」と相手との境界線がしっかりと引けているようにも見えます。 

私達はともすると、相手が自分で解決すべきことにまで踏み込んでしまいがちです。また、相手が自分の責任で決めたことに関して、必要以上に自分の責任を感じて思い悩むことも多いものです。例えば仕事を頼み、相手は引き受けてくれたあとで、「彼も忙しいだろうに、無理して引き受けて今頃大変な思いをしているのではないか?」「本当はあのとき断りたかったのに、自分が無理強いしたのでないか?」と思い悩むことはありませんか? 

相手は自分の言葉で交渉することもできるはず。その状況で引受けたのだからその時のことはそれ以上思い悩むのはやめ、相手の判断の領域と自分の責任の領域との境界を明確にしましょう。ただし、それはそのあと知らん顔をすることとは違います。当初の予想に反して忙しくなっていないか、こまめにコミュニケ−ションを取って様子を見るのは大切です。 

相手と自分の境界を明確にすること、誰の課題なのか意識すること。これだけでも随分、エネルギーを大切なことに集中できるようになるのではないでしょうか。 

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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