こんにちは。産業医・伝え方改善コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。
数年前、すこし難しい事務仕事があって、専門家の力を借りました。ところがいつまで経っても終了しない。何度か問い合わせをしましたが、個人的な事情が色々あってなかなか時間が作れなくて、ということでした。
気が重い作業を頼んでいたということもあって私も遠慮がありましたが、しばらく経って再び問い合わせをしたら、「またまた、別の個人的事情があってそちらを優先させている」というではありませんか。
個人的な事情と言われるとどんどん悪いこと、大変なことを想像してしまい、それ以上言えなくなってしまう人も多いかと思います。実際私もそういう気持ちになりました。
でも、思い直しました。もし、自分が個人的な事情で無理な状況になったのであれば他の人を紹介するなど手を打たねばならない。半年以上も放置しているというのは無責任ではないのか?
そこで遠慮する気持ちをちょっと横に置こう、そして相手と自分の境界線をはっきりさせようと気持ちを整理しました。先方の事情は事情として理解は示すとしても、そのことと私が依頼した仕事を放置しているということとは別の話だ。
そこまで考えを整理してはじめて、落ち着いて相手と話をすることができました。先方も大変だったのかもしれませんが、それから3ヶ月後、無事に依頼した仕事は終了しました。
相手の事情は色々あるし、そのことには理解を示すけれど、それは私が依頼した仕事とは関係がないという境界は大切です。
どこまでが自分の責任の範囲で、どこからは相手の領域なのか?常に意識しておきたいポイントです。