相手の必死の反論にあっても、相手のペースに飲まれないたった一つのコツ

新人指導担当の鈴木さんは、きょうも新人の小野田さんが帰社するのをイライラした気持ちで待っていました。

小野田さんは何度注意しても、日報を書いたり書かなかったり、一体、今どんな仕事をしていてどういう進捗なのか掴めないまま、お客様からクレームの電話が入ったりします。

今までも何度も、日報は毎日書いて提出してほしい、と伝えてきましたが、改善されません。

さあ、このあとの鈴木先輩と小野田さんの会話は、どうなるでしょうか?小野田さんが帰社しました!

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

鈴木先輩「小野田さん、ちょっと話があるんだけど」

小野田さん「はい、何でしょうか?」

鈴木先輩「今まで何度も言ってるけど、日報は毎日ちゃんと出してね。これ、もう何度も注意しているよね。なんでできないかな?理由があるなら聞くけど」

小野田さん「・・・すみませんけど、忙しいんですよ。勤務時間はお客さんのところを周り、帰社してから資料作りですよ。日報を書けない日だってあります」

鈴木先輩「それはわかるけどね、小野田さんがなにをしているのか掴んでいないと、突然お客さんから問い合わせが来たりしたときに困るの。この前もエース電気さんを怒らせちゃったでしょ」

小野田さん「あれは自分の責任ですか?」

鈴木先輩「全部が全部あなたの責任じゃないけど、でも、日報出しておいてくれたら、あそこまでにはならなかったでしょ」

小野田さん「それに、杉下さんも亀山さんも日報必ずしも毎日出してないじゃないですか。なんで自分だけなんですか?」

鈴木先輩「彼らはもうベテランだから任せているの!」

小野田さん「それおかしくないですか?日報をベテランは出さなくても良くて、若手は毎日何が何でも出せって・・・」

鈴木先輩「彼らはクレーム来たりしないのよ!あなたもそういう責任ある仕事してよ」

小野田さん「責任って・・・。自分も責任持ってやってますよ!ひどい・・・。それに彼らのお客さんだって、このまえ、クレーム来て部長が謝りに行く騒ぎになったじゃないですか!」

鈴木先輩「とにかく日報は毎日出して!もうこういうこと言わせないで!」

小野田さん「ひどい・・・」涙声・・・

ああ、こういう会話、毎日身近などこかで繰り広げられていますよね。

これは完全に鈴木先輩の戦略ミスです。

どこがいけなかったのでしょうか?

1)小野田さんにも言い分はあるはず。まずは言い分にも耳を傾けよう。人は「聴いてもらえている」という安心感で落ち着くもの。

2)ゴール設定をしていない。何を伝え、何を行動してほしかったのか?もちろん「日報を毎日提出する」ということのはず。小野田さんも全力で反論してくる。鈴木先輩は小野田さん反論の言葉に飛びついて、話がどんどん言いたかったことからずれていってしまいました。

3)最後に切れたのは鈴木先輩の方。完全に、小野田さんのペースにはまってしまいました。

ではこういうとき、何を意識したら良いのでしょうか?

それはズバリ!

「伝えたいことを何度でも繰り返す」ということです!

鈴木先輩「今まで何度も言ってるけど、日報は毎日ちゃんと出してね。これ、もう何度も注意しているよね。なんでできないかな?理由があるなら聞くけど」

小野田さん「・・・すみませんけど、忙しいんですよ。勤務時間はお客さんのところを周り、帰社してから資料作りですよ。日報を書けない日だってあります」

鈴木先輩「そうなんだね。それはわかるけどね、小野田さんがなにをしているのか掴んでいないと、突然お客さんから問い合わせが来たりしたときに困るの。お願いね」

小野田さん「それに、杉下さんも亀山さんも日報必ずしも毎日出してないじゃないですか。なんで自分だけなんですか?」

鈴木先輩「そうね、あなたの言う通り、彼らも出していないことはあるわよね。それは私から彼らに注意してもらうようにします。でも、今は私はあなたに日報は毎日ちゃんと出してほしい、ということを話しています。お願いね。」

小野田さん「でも、おかしくないですか?日報をベテランは出さなくても良くて、若手は毎日何が何でも出せって・・・」

鈴木先輩「今も言ったけど、私から彼らに注意してもらうようにします。あなたの言い分ももっともだものね。ただ、あなたには日報は毎日ちゃんと出してほしい、ということを話してるんだけれど、それはどうかな?」

小野田さん「○$△&〜□#!!」

鈴木先輩「日報は毎日ちゃんと出してほしい、という話をしてるんだけれど、それはどう?」

小野田さん「はい、わかりました。でも!!どうしても忙しくて書けないときはどうしたら良いんですか?」

鈴木先輩「その時は早めに相談してください。」

通常ここまで(4回も)繰り返さなければならないことはありません。人間はたいてい2回位でひくことが多いからです。でも、これくらいの覚悟を持ってほしいです。

伝えたいことを繰り返すと、こちらに余裕が生まれ、落ち着いて相手と話ができます。相手のペースに飲まれてしまうことが減ります。

同じことを繰り返し話していると、自分が壊れた機械みたいに思えて勝手に気恥ずかしくなるもの。でも、自分で自分の気恥ずかしに負けてはいけません(笑)。

ぜひお試しください。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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