企業内メンタルヘルス研修を行ないました:セルフケアで、どうしてもお伝えしたい2つのこと

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

企業様でメンタルヘルス研修を行いました。

メンタルヘルスのケアには2つあり、一つは自分でケアをする「セルフケア」、もう一つは上司あるいは人事・総務などの担当者が部下や担当部署の心身の様子を見る「ラインケア」です。上司は部下の業務内容や業務量を、部下の適性や体調にあわせ考えていきますよね。これがラインケアです。一方で、従業員一人ひとりには、自分の体調を自分で整えて、良い状態を保つためのセルフケアが必要です。この両者がうまく噛み合って、心身のバランスが取れて生産性高く働くことができるわけです。

全従業員向けと管理職向けに、それぞれセルフケア、ラインケアと分けて2回研修を行うことになっており、今回はセルフケアの回でした。

日頃から、産業医としてたくさんの従業員の方の話を聴いてきました。そのなかで、皆さんどうしても「健康か、うつ状態か」という極端な考えをしがちだということに気づいていました。

また、本当にぎりぎりになるまで我慢し頑張ってしまって、気づいたときには休職しか手がない、ということも大変多い。もう少し早く気づいていれば、早めの対応ができて休職せずに済んだのではないかと思う残念なケースが多かったので、そのあたりのことを整理してぜひお伝えしたいと、資料を作り込んで研修に臨みました。

上記を踏まえ、特にお伝えしたかったことは2つです。

  • 「健康」か、「うつ状態」か、と両者はきっぱり分けられるものでないことです。このうつ状態あるいはうつ病まで進展してはじめて、「メンタルヘルス不調」だと考えている方が多いのですが、実は違います。

「健康」と「うつ状態」の間には様々な程度の症状があって、グラデーションがあります。この全てがメンタルヘルス不調なのだということです。ですから、健康に近いメンタルヘルス不調もあれば、うつ状態に近いメンタルヘルス不調もあるのです。

ですから、健康に近いメンタルヘルス不調のときに気づいて対応をすれば、休職に至るリスクを減らすこともできます。

  • 次に、早期に気づくためにどんな症状に気をつければ良いのか、ということ。このブログでも以前お伝えしましたが、脳疲労の兆候に気づくこと。その具体的なお話もいたしました。

この日は、研修前に、突然のバケツを引っくり返したような激しい通り雨がありましたが、研修後には爽やかな青空。ご自分の、あるいは身近な方のメンタルヘルス不調に早い段階で気づいて、セルフケアをしていただく助けになればと思いながら終了いたしました。

終了後、たくさんのアンケートをお寄せいただきました。一つ一つのご意見を今後に反映させていきます。

この記事を書いた人

アバター画像

本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。