人付き合いのコツ:切り分けることのメリット、デメリット

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

私の友人は普段あまり愚痴を言いません。私は彼女に時々愚痴をいうので、かなり長い間、「私は彼女にとって愚痴をこぼす相手と認定されていないんだな」と思っていました。ほら、人間って、自分を基準に考えてしまうところがあるでしょ。だから、「愚痴はこぼすもの。でも相手を選んで」と考えていた私は、「彼女も愚痴はこぼすはず。でも、私はほとんど聞いたことがないので、愚痴をこぼす相手に認定されていないんだな」というふうに理解していたのです。

そこで以前、彼女に愚痴を言わない理由を聞いたことがありました。

彼女曰く「愚痴を言っても解決するわけではないから」

ま、そのとおりです。

でも、人間である以上、愚痴を言いたくなるようなストレスを感じる場面はたくさんあると思うのですが、そういう場面での考え方が私とちょっと違うみたい。

とにかく「ものごとを切り分ける」ということだそう。切り分ける?

  • これは関わるけれど、これは関わらない。
  • ここは注意するけれど、ここは相手に任せて自分は口を出さない。

通常、私達はざっくりと人単位でこれを考えているのではないかと思います。

「部下Aは基本任せる。本人が相談に来るまで何も言わないでいる」

「部下Bは進捗確認のミーティングをこまめに行う」など。

でも、彼女の話を聴いていると、「人単位」ではなく「場面単位」です。人との付き合いの場面に応じて、「ここはしっかり関わる」「ここは相手に任せる」と切り分けができているのが、会話をしているとわかります。

この切り分けって、アドラー心理学の課題の分離に近いのかもしれませんが、人付き合いが負担にならないコツの一つかなと思います。

さて、この切り分けですが、私が思うに、デメリットもありそう。

彼女は割と簡単に「それ、やめたら良いんじゃない。割り切りも大事だよ」と言います。それで救われることも多いのですが、「今が頑張り時だろうよ」と私が思っているときでも、愚痴を言うと「割り切って止めたら」といいます。「それじゃ、成長がないだろ!!」というのが私。

まあ、過去に「それじゃ、成長がないだろ!!」という考えにとらわれて、疲弊して身動き取れない私を散々見てきたから言うことだとは思うのですが、たいてい意見が割れるのはその点かな?

努力だの、最後まで頑張るだの、いつの間にか「頑張ることが目的化」しやすい私の軌道修正役をしてくれているのかもしれませんね。

まあ、デメリットの方はさておき、細かく場面ごとに「切り分ける」というのは人付き合いでも役に立ちそうな考えです。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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