幸せをキャッチするちから

こんにちは。コミュニケーションスキルと自分の強みを活かすことにより、ストレス軽減のサポートを行うストレスマネジメント・コーチの本間季里です。

私達は普段、自分の生活には大して良いことなど起きていやしない、と思いこんでいるフシがあります。それには次の2つの理由があるのではと考えています。

1)太古の昔から、長い間、人類は獣たちと食うか食われるかという緊張関係の中で暮らしてきました。そんな状況ではちょっとした気の緩みが命取りになります。したがって、良い点に目を向けるより、改善点、良くない点に目を向けていくことが生存に必須だったのではないでしょうか。

2)獣との食うか食われるかの生活から程遠い現代にはなりましたが、今の教育では、まだまだ得意を伸ばすよりも苦手を克服する方に軸足が置かれています。したがって、私達は「できないこと」「平均よりも下のこと」を常に指摘され成長します。そういう中では自分の良い点を意識することはなかなかできず、逆に至らない点を認識する機会は嫌というほどあるわけです。

そういう状況下では、良いことを感じる脳内センサーはなかなか発現してきません。「今日はどういう良いことがありましたか?」と聞くと、「特別なイベントもないし、良いことなんてありません。以上」で会話は終わってしまいます。でも、果たしてそうでしょうか?イマイチなことも毎日起きているかもしれませんが、それと同じくらいちょっと良いことも毎日起きているはずです。「何も良いことなど起きてやしない」と切り捨てるのは、あなたが幸せをキャッチする力が鈍くなっているから。そういう場合、自分の感情を正直に感じる力も弱くなっています。

幸せをキャッチする力が増すとどんな良いことがあるのでしょう。まず、以前と同じ日常であっても、幸福感が増していきます。次に、今まで当たり前と思っていたことに対しても決して当たり前ではないという感謝の気持ちを持てるようになります。結果として、そういう気持ちがちょっとした言動に表れてくるので、周囲の人にも波及して関係性が変わってきます。幸せは伝染する、というのはこういうことではないでしょうか。

幸せをキャッチする力は、トレーニングできます。一番かんたんなのは、毎日、ちょっと良かったなと思うことを3つ、ノートに書いていくことです。はじめはすごく時間がかかるし、考えても考えても出てこない場合もあります。それは思考回路がつながっていないから。次第に、ちょっと良いことをピックアップできるようになります。例えば、今日のランチは美味しかった、散歩をしたらきれいな季節の花が咲いていた、マンションの掃除をしてくれる業者の人に「ありがとう」と声をかけた、小さい子供が高齢者と楽しそうに話している姿を見てほのぼのとした、買い物に行ったらXXの野菜が売っていて季節が移り変わっているんだな、などなど。

これに慣れてきたら、そのときどう感じたか、かんたんに一言書き添えてみます。蓋をして感情をなかなか感じられなくなっていても、徐々に自分の感情にアクセスできるようになります。やってみませんか?

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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