「正直、何が悪いのかわからない」──職場の課題は、中にいる人ほど見えない

~外の目を入れよう。それは中途採用者の「違和感」でもいい~

あなたが「うちの家って、ちょっと変わってるかも」と気づいたのは、いつ頃でしたか?

味噌汁の具の組み合わせを友達に驚かれた、家にいつも知らない人が出入りしていた……。たいていは、友達の家に遊びに行くようになってはじめて「あれ?」と気づくものですよね。比べる相手ができて、人はようやく自分の「当たり前」が見えてきます。

職場も、まったく同じです。

部長の本音「何が悪いのか、わからない」

ストレスチェックの集団分析で、職場環境のスコアが低い部署がありました。休職者も続いている。会社からは「職場のことは現場の人が一番わかっているだろうから、職場で対策を考えてください」。

その部署の部長さんとお話ししたとき、こう打ち明けられました。「部長以上で何度も会議をしているんです。でも正直、何が悪いのかわからない」
これは、その方の能力の問題ではありません。

こう聞いて納得しませんか?

  • 配属されたら、とにかく早く慣れて戦力になりたい。
  • 雰囲気がギスギスしていようが、文化や習慣を一つひとつ吟味している余裕はありません。
  • 過剰適応ぎみに頑張り、適応できた人が成果を出し、管理職になっていく。

つまり管理職とは、「その環境に馴染んで力を発揮してきた人たち」なのです。だから問題が見えない。そして同じ理由で、自分たちの職場の良いところも、実はよくわかっていないのです。

「嫌なら戻れば?」で、終わらせていませんか

では、誰なら見えるのか。外の目です。
外の目といっても、高額なコンサルや外部のお偉いさんである必要はありません。産業医、税理士、社労士といった専門職は、たくさんの職場を見てきた「比較データ」を経験知として持っています。

そしてもう一人、身近にいる貴重な存在が、中途採用で入ってきた人です。
「ここ、ちょっと変じゃないですか?」その違和感こそ、友達の家で気づく「あれ?」と同じもの。

ところが多くの職場では、こんな言葉で片づけられてしまいます。

「これがうちの文化だから」
「そんなに前の会社が良いなら、戻れば?」
「郷に入れば郷に従え、だろ。うちに馴染めよ」

言われた人は、評価されたいから必死に馴染もうとします。やがて違和感は消え、良くも悪くも馴染めた人だけが残っていく。こうして、職場の変革はどんどん遠のいていくのです。

違和感は、職場を映す鏡

新しく来た人の「あれ?」は、文句ではなく、あなたの職場を映す鏡です。

「どこでそう感じた?」「前の職場ではどうしてた?」と、質問をひとつ返してみてください。悪いところだけでなく、「ここはいいですね」という声も、きっと出てきます。

あなたの職場の「当たり前」、最近、外の人に聞いてみましたか?

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この記事を書いた人

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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