新年度になって一ヶ月近く。新人、異動してきた人など、皆さんの職場にも新しい人達が入ってきたのではないでしょうか?その人達は楽しそうに仕事をしていますか?
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以前からいる人の思考とは?
以前からその職場で仕事をしている人と、新しく入った人や異動してきた人の意識の差は、あなたが考えている以上に大きなものがあります。
前からそこで仕事をしている人にとっては、年度が変わろうが、新しい人が入ってこようが、進行中の業務があるいつもの日常。昨日の続きの今日です。言ってみれば、ベルトコンベアの流れに乗っている状態、高速で動いているエスカレーターに乗っている状態といえばわかりやすいでしょうか。
いちいち考えなくても動きは体が覚えている。いちいち考えなくても自然と手順通りに仕事を進めることができる、そんな感じではないでしょうか。それは快適な状態です。
新しく入ってきた人の悩み
一方、新しく入ってきた人は、新人だろうが異動だろうが中途採用だろうが、小さなことからすべてが新しいこと。
●文具はどこにあるのか?
●部会や課会はどんなふうに進めていくのか?
●何を言うと叱られて、何を言うと褒められるのか?
●職場のヒエラルキーはどうなっているのか?
おまけに「あなたにはこのプロジェクトに参加してもらうから」と言われたプロジェクトは最終年度に入っている。今までの積み重ねがしっかりあって、自分は何を受け持ち、どんなふうに入っていったら良いのか・・・
「何かあったらなんでも聞いて」とは言われるけれども、何を聞いたら良いのかわからない。自分が何がわかって何をわからないのかわからない。
うまく流れている日常業務に新たに入っていく難しさ
あなたは子どもの頃、集団で大縄跳びをしましたよね。一定のリズムで回っている大縄に、タイミングを合わせながら次々と入っていき、足で引っ掛けないように注意しながら飛び続け、何人まで大縄に入っていけるか、遊びませんでしたか?
あるいは、高速で動いている歩く歩道に、途中の、それも横から入っていこうとしたら危ないですよね。体制を崩したり、転んだりする確率が高いでしょう。
新しく入ってきた人が、すでに動いている業務や粛々と流れている日常に入っていくのはちょうどこんなことに似ています。
ここまで言えば日常の流れに、スッと乗るのは難しいことがおわかりいただけるでしょう。
もとからいる人がウェルカムの姿勢を示す
産業医をしていると、うまく新しい環境に馴染めなくて体調を崩した人の話を聞く機会があります。そんなとき、職場からも話を聞きます。
するとたいてい「新しく来た人の方から、我々に馴染む努力をすべきだ」と言わんばかりの上司に会う確率が非常に高く、びっくりします。
新規参入、異動をしてきた人は、それだけで大きなストレスを感じています。すでにスムーズに仕事をしている人たちに迷惑をかけてはいけないとも思っています。←例外もありますけれどね。
だからこそ、もとからいる人が率先してウェルカムの姿勢を示す必要があるのです。
ウェルカムを感じられないと
ウェルカムを感じられないと、新しく入ってきた人はどういう気持ちになるでしょう。
萎縮します。
自信をなくして萎縮します。
萎縮した人と、粛々といつもの業務をこなしている人。。。
こんなところから、ギスギスした職場の空気が始まります。ギスギス感は伝染しやすいもの。あっという間に広がってしまいます。
これを防ぐにはどうしたら良いでしょう?
ウェルカムの見える化です!
ウェルカムの見える化とは
●リモート会議で自己紹介をしたら、リアクション機能を使って、拍手やイイね!などを贈る。
●リモートならば、できるだけ顔出しにして笑顔でウンウンといつもより大きくうなづく。
対面で業務をする場合は、
●顔を見て挨拶をする。
●はじめのうちは意識してランチに誘う。
手を止めてガッツリ業務を教える覚悟を持つ
そしていちばん大事なのは、少し手を止めてガッツリ業務を教えることです。その期間は教える側の業務効率は下がります。それが嫌で、ほとんどの人は新しい人を放置して、早く業務を覚えられるようにサポートをしようとしません。それは産業医の目から見ても驚くばかりです。そしてその責任は新しく入ってきた人にあると言うのですよね。
百歩譲ってそのやり方を認めたとして、その結末はこうなります。
新しく入ってきた人はいつまでも仕事を覚えられない。
↓
頭数は揃っているのに、戦力になる人が少ない。
↓
だから、戦力になる人の負担がだんだん重くなる。
↓
いつまでも仕事を覚えられないのは、仕事を教えないからなのに、覚えられない人のことを疎ましく思う。
↓
職場がギスギスする。
↓
だからもっと生産性が下がる。
この悪循環。これを回避するには、少し手を止めてガッツリ業務を教える覚悟を持つことです。
新しく入ってきた人たちが、安心感を持って軌道に乗るまで試してみませんか?