こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。
目上の人、上司、自分より経験・成果が高い人、自分を評価する立場の人などと話をするとき、「間違いを鋭く突っ込まれるのではないか?」「鋭く反論されるのではないか?」と不安が先行することってたくさんありますよね。
そんなとき無意識にやってしまうのが、予防線を張りつつ話をすること。これ、実は逆効果なんです。予防線を張れば張るほど、突っ込まれて墓穴を掘る事になるんですよね。
私は前職では、大学の研究室で研究をしていたのですが、ミーティングや研究発表の場で矢継ぎ早に質問が浴びせられるのが、たいて自分が確信を持てなかった部分。これ、若いころは不思議だったんですよね。でも、ある程度指導的な立場になり、後輩の発表をたくさん聞くようになってわかりました。
確信が持てないところ、中途半端な理解のままの部分では、微妙に声の調子が変わったり、わずかに言いよどんだりしているんです。聴いている方はそこに鋭く反応するんですね。すなわち、
自信がないことが相手に伝わる。そして、相手は無意識レベルで「あ、ここは自信がないんだな」と感じる
相手は「ということは、内容は正確なのだろうか?」と不安になる。だから質問する。
矢継ぎ早に質問されるので、あなたは余計に緊張してうまく話せなくなってしまう
という悪循環になってしまうのです。ちょっとした違いをキャッチする、人の感覚ってすごいんだなぁと思ったものです。
自信がないときは、正直に「すごく緊張しています」「部分的に検討不足のところがあるので、ご意見を頂戴したいです」とはじめに自己開示をすると、自分の気持ちも落ち着きますし、周囲もそのつもりで話を聴いてもらえるように思います。