自分との約束を守る:産業医の私が大切にしていること

あなたは「これは守っていこう」という自分との約束ごとがありますか?自分が大切にしたい価値観、素敵だなと思った誰かの言動を自分の中に取り入れたいなと思ったときなど、「自分との約束」という形で習慣化することはとても大切です。

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。限りあるエネルギーを本当に大切なことに使うためのコツをお伝えしています。中心はコミュニケーションや上手な時間管理・習慣化。

特にコミュニケーションでは、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴うなかでも協調していくための伝え方のコツをご提案しています。「頭でわかった」ではなく、実際に身につき日常で使えることを目指します。

自分との約束ごとはありますか

「自分との約束ってなに?」「大切にしなくちゃいけないのは他人との約束事じゃないの?」と、そう思った方も多いのではないでしょうか?

私は自分との約束として、毎日のルーチンや心構えみたいなものを常に見られるようにスマホの中に記録しています。

例えば私の場合、職場での自分との約束のひとつは、
①コピー機の用紙がないことに気づいたら「ああ、運が悪いな」と思いつつ、新しい包みを破ってさっさと補充する。
②シュレッダーの裁断された紙が一杯になってアラームランプがついたら、「ああ、運が悪いなあ」とつぶやきつつも、さっさと取り出して新しいゴミ袋と取り替える。
などです。

どちらも「そんなこと?」というようなことですが、ついつい気が急いているとき、誰も見ていないときなどは、やらずに済ませてしまいがち。でもそれは「自分ではなく、他の人がやればいい」という考えにつながる気がして、職場同僚との対等感という点から自分の中で引っかかりを感じます。だから、これは私にとって自分の価値観を大切にするということにつながる、自分との大切な約束のひとつなのです。

自分との約束を守る意味

なぜ、自分との約束を守っていくことが大切なのでしょうか?

自分との約束が小さなことであっても自分で自分に約束したことを守ることで、自分に対する信頼感が生まれていきます。なぜなら「私は自分に対して決めた約束事を守れている。自分との約束を守れる人間である」と思えるからなんですね。

その話を初めて聞いたのは、アサーティブなコミュニケーションを学んでいた時でした。自分も相手も大事にするアサーティブなコミュニケーション。まずは自分が自分を大切にすることから始まる。自分を大切にするということは、自分が自分を大切にするに足る人間であると信頼していること。自分を信頼するためのひとつは、自分との約束を愚直に守ることという話を聴いたのでした。

また、自分の土台をしっかりと安定させるための方法の一つとして「自分との約束を守る」という同じ言葉にコーチング理論でも出会いました。自分で決めたことを守っていくということは、友人との待ち合わせの時間を守るというのと同じくらい「自分を大切にしている」「自分を後回しにしない」ということにつながっていくのですよね。

自分との約束を守るための私のやり方

自分との約束は、頭の中で考えていてもすぐに忘れてしまいます。そこで私は私はスマホアプリを使っています。

いつでも携帯できること、いつでも見られるからです。私はiPhoneを使っているので、以前はiPhoneの標準アプリであるリマインダーアプリを使っていました。

しかし、いまはNozbe Personalを使ってタスク管理をしています。たくさんのタスクが入っているのですが、以前は「自分との約束を守る」というタスクを、毎日繰り返すよう設定していました。もちろん、その項目のあとには具体的なアクションがいくつか入っていました。

いまもNozbe Personalを使っているのですが、「自分との約束を守る」というタスク作成はやめて、自分との約束の個別のタスクを毎日繰り返す設定にして入力しています。タスクが増えてきたからです。

このようにしておくと、どうしても毎日目にするので、意識をすることができます。こういう工夫をしない限り人間は日々の忙しさに取り紛れ、すぐに忘れてしまいますよね。

あなたにとって「自分との約束」にはどんなものがあるのか、改めて洗い出してみませんか?

写真はちょうど一年前、伊豆高原の断食リトリート「やすらぎの里」で一週間過ごしたときの朝の散歩で見た日の出です。

伝え方に興味がある方はぜひ、ご登録ください。読むだけで、伝え方に関する視点が増え、知らず知らずのうちにあなたの伝え方が変わっていきます。

産業医・伝え方改善コーチ・本間季里のメールマガジン

キンドル出版しました

産業医として、伝え方コーチとして、毎日たくさんの方の話を聞いてきた経験を元に、「自分が疲れない話の聞き方のポイント」についてまとめた本です。
相手の役に立ち、親身に寄り添うことで、温かい関係性を作りながらも自分が疲れずに関わっていくためのコツが書かれています。
特に、身につけるスキルよりも、手放すとうまくいく考え方に多くのページを割いて、わかりやすい事例とともに解説しました。

この記事を書いた人

アバター画像

本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。