「ハラスメントと言われそうで、厳しいことを言えない。」
「リモートワークで、強要していると取られないか気になって、顔出しで会議しようと言えない。」
マネジメント層の方たちから、こういうお悩みを聞いて久しい。あなたはいかがですか?
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リモートワークの件では、あまりにも異口同音に同じことを言うので、先日、思わずこう叫びました。
「会社はこの数年の間にかなりの投資をして、社員が顔出しでリモート会議をしても大丈夫なようにインフラを整えてきた。なのに、いつまで同じことを言い続けているんだ。
もし、自分が管理職として音声のみでの会議を選択し続けているんなら、『会議をしてもコロナ前みたいに顔が見えないので、部下が体調がいまいちなのかわからない。コミュニケーションが取りづらい』等と言うんじゃない!
あえて、部下の顔を見ないようにしているのはあなた自身じゃないですか!」と一喝しました。
指導をすべきときに厳しいことを言えないのは職務怠慢
さて、そんな私ですが、冒頭のように「ハラスメントと取られないか気になって、言うべきことが言えない」と管理職の人が悩んでいるとき、「言うべきときに、言うべきことを言わないなら、それは職務怠慢ですね」とはっきり言うようにしています。
もちろんその前提として、相手との信頼関係が築かれていることは言うまでもありません。管理職の中には、ちょっとホッとして「そうですよね。言わなくちゃいけませんね」という人もいます。
たいてい次の言葉は
「だから、相手が受け取りやすいように、厳しいことをどんなふうに言ったらいいでしょう?」
厳しいことを、それでは言わねばならないときに大切な、たった一つこと
おいおい!ポイントはそこじゃないんだよ!
言わねばならない厳しいことを言うとき、相手が受け取りやすいような言い方って、あるにはあります。
でも、厳しいことを言わねばと思っているときに、そんなこと思い出せますか?それより大切なのは、日ごろのコミュニケーションです。
厳しいことを言わねばという時間より、それ以外の時間のほうが圧倒的に多いはず。
ならばむしろ、緊張感伴う厳しいことをいうときではなくて、それ以外の時間でどんなコミュニケーションを取っているか、そちらに意識を向けます。
日頃のコミュニケーションで大切なこと2つ
大切なことはつぎの2つです。
1)積極的にポジティブ・フィードバックをしているか?
2)任せると決めたら任せているか?
良い点を褒められることもなく、頑張っても感謝もされず、任せたと言いながら口出しをされて、そういう状況で耳が痛いことに素直に耳を傾けられますか?
感謝されるために頑張っているわけではない。でも、ありがとうと言われるとやりがいを感じる。もっと頑張ろうという気持ちになる。
任せたと言われて、以後、あなたは何も言わない。部下は不安になってこれで良いのか聞いてくる。
あなたは「どうしてもこれではまずいというときはちゃんと言うから、安心して進めて」と笑顔で答える。
部下は、あなたが何も言わないことは信頼の証なのだと思えるようになる。
そういう日ごろの関係があるからこそ、耳が痛いことを言われても受け止められる。そして、その時どんな言い方をしたかはそれほど問題ではないんです。
ベースとなる関係を良いものにするために、日ごろのコミュニケーションを見直してみませんか?