先回りする大人たち

後輩、部下、こどもと話すとき、無意識に相手の先回りしていませんか?

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学生とともに研究をするカリキュラムで

私の前職は大学教員。毎年、学生が研究室に配属されて、数カ月間一緒に研究をするというカリキュラムがありました。もちろん、学生は研究をするということははじめてですし、実験なども一から私達が教えます。

教員である私たちは彼らがなにに戸惑っているのか、彼らの行動を見ているとだいたいひと目でわかります。なぜなら自分も通ってきた道だからです。大体人は同じところで同じように困惑するものです。

一言も言葉を発することなく自分の疑問を全て解消していった学生

ある時、不思議な光景を目にしました。

学生が手をちょっと止めて、ニコっと笑ってチラッと指導教員の方を見ます。教員がすぐさま何か話しかけます。学生はまた手を進めます。

また学生が手をちょっと止めて、ニコって笑顔になってチラッと指導教員の方を見ます。近くに控えている教員がすぐさま何か話しかけます。学生はまた手を進めます。

 

これが延々と繰り返されました。

結局、学生は一言も言葉を使って質問をせずに、担当教員からすべてのアドバイスを引き出したのでした!

 

先回りするパーキングの職員

上記の学生は自分の望み通りに、一言も言葉を発することなく自分が望むことをなし得ました。私自身は自分が望んでもいないのに、次々と先回りをされて少々気分が滅入ったことがあります。

ある有名デパートのパーキングに車を止めて、用事が済んだので出庫しようとしたときです。平日だったのでお客様もそれほどおらず、駐車券を機械に差し入れ精算をしようとしたときです。

当然ですが使い慣れない精算機なので「えーと、どこに駐車券をいれるのかな」とぐるりと眺めていたとき、近くにいた職員が走り寄って「あ、お客様」というなり、私の駐車券を奪い取ってさっさと機械に差し入れたのです。目にも止まらぬ素早さで・・・

何も奪い取らなくてもいいのに・・・

何もこちらが困ってもいないのに・・・

これじゃあ、機械の使い方をいつまでも覚えられないじゃない・・・

私が望んでもいないことをするのはサービスじゃないよ・・・

言葉を使って質問されたら対応する教育

これと同じことを私たちは職場でもプライベートでもしていないでしょうか?

例えば相手が言葉で質問をする前に、あなたが素早く察して「ああ、◯◯のことだったら、XXすれば良いんだよ」と先回りしていませんか?

もしかすると相手は、正解までもう一歩!という所まで来ているかもしれません。小さなことであっても自分の力で得たことは自信になります。逆に何でも答えを与えられてしまうと、いつまでも自信が持てないままかもしれません。

 

例えば上記の学生のケースを考えてみます。実験に使う器具の置き場所がわからないとします。そのときに教員がさっと器具を差し出したら、次もその学生は器具の置き場所がわからないまま。それは決して教育ではありません。

 

「次に使う器具はどこに置いてあるのでしたっけ?」と言葉で質問されたら、場所を教える。それまでは待つ。

 

相手が、自分の言葉で質問してくるまで少し待ってみませんか?

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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