メンタルヘルス不調とはなんなのか?

産業医・伝え方コーチの本間季里です。
産業医歴9年、延べ4000人のお悩み解決実績。
脳科学と心理学をベースにしたコーチングで「あなたの目指すゴール」へ最速でお連れします!

前回のブログで、自律神経は2種類ではなく3種類あり、それぞれ役割が違うらしいということをお話しました。
https://kiri3.com/archives/4468

3種類の自律神経の働きを自由に行き来する私たち

自律神経が何種類あるかなんていうことより、わかっていただきたいのは、人間って安心・安全を感じるのも、問題を自分でなんとかしようとがんばるのも、そして外界を遮断して引きこもるのも日々、普通に起こり得るということです。そこに自律神経の働きが関与している。つまり、わたしたちは毎日、この3段階を自由に行き来しているのです。

落ち込んで数日誰にも会いたくない!!という気持ち(3段階目の気分)になったとしても、暫く経つと1〜2段階目に戻ってこられますよね。これをレジリエンスというのですね。

2〜3段階目の状態も自分で自分を守っている状態

このことを考えると、交感神経を発動させて、自力で問題をなんとかしよう!とがんばるのももちろん自己防衛。そして、それで踏ん張りきれなくなったときにスイッチが切れたように外界を遮断し、刺激を避ける行動に出るのも、自分を守っている形のひとつなんですね。

このことを知ると、メンタルヘルス不調になるのは弱い人、という考えはちょっと違うな、と納得していただけるのではないでしょうか?ずっと交感神経を張り詰めて頑張っていたけれども、それではどうにも持ちこたえられなくなったという状態なんですよね。ひたすら省エネモードに入り、命を守る以外のエネルギー消費は避ける、そんな状態です。

実際、産業医として私が面談をしてよ〜くお話を聞くと、たいてい職場の人が「体調不良と認識する」半年から1年前には、すでに限界を超えているというケースがほとんどです。その間、交感神経をバリバリに働かせて頑張っているんですよね。

いや、その前からずっと交感神経バリバリで頑張って、体調不良の兆候が現れてもなおも交感神経をバリバリに使って頑張り続けている。そして1年ほど経ってから私の前に現れる、そんな経緯です。

SOSとは?

実はその間ずっと、体調不良の方はいろいろなSOSを発信しています。いえ、SOSと自覚してSOSを出しているのではなく、疲労困憊の結果として様々なサインを出しているんです。そのサインを見逃さずにいれば、もっと早く対応ができますね。

体調不良という休みが多くなる。遅刻・早退などが増える。不自然に残業や休日出勤が増えるなど、勤怠に関する変化が一番多いです。

仕事でミスが増えるとか、以前はやれていたルーチンワーク、例えば未読のメールを溜め込んで大切な連絡を見落とすとか、出張旅費の精算がいつまでも完了しないとか・・・

このとき大切なのは、以前できていたことができなくなったという点が重要です。ということは、上司は部下の普段を良く知っていなくてはならないということですよね。

こういう人がいたら、

「何やってるんだ!しっかりしろよ!」

「最近どうした!たるんでるんじゃないのか!」と発破をかけることは避けなくちゃという理由はご理解いただけましたか?

長期間、交感神経バリバリで必死に頑張っている状態が続いているからこうなっているわけなのですよね。

ぜひ、こういう人を見かけたら、「頑張りすぎて、3段階目にいるのかな?」という視点を思い出してほしい。これが今日の結論です。

いかがですか?あなたの周囲にこういう方はいませんか?

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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