【仕事のコミュニケーション】謝りすぎる弊害

産業医・伝え方コーチの本間季里です。

先日、友人と話をしていて「あまりにへりくだった言い方は、相手はていねいなつもりかもしれないけれど、むしろていねいに感じないよね」という話をしていました。

全く同感です。

謝りすぎるカスタマーサービスの人

もう、10年ほど前ですが、サービスのことでわからないことがあったのでカスタマーサポートに電話をしたときのこと。

私の問い合わせにでたのが多分新人だったのだと思いますが、ひたすら謝る人でした。

最後には余計なお世話なんですが、「もっと堂々とお話ください」とお願いしたことがありました。←全くおせっかいですけれどね

電話の向こうのその人は、私が一つ質問するたびに

「すみません。えーっと・・・すみません・・・」と言っていました。多分新人さんだったのでしょう。

紋切り型に説明されるのも腹が立つけれど、この場合のように謝りすぎるとか、ていねいの度を越してへりくだりすぎているとかというのも気持ちの良いものではありません。

職場でもへりくだりすぎるのは逆効果

このケースとは少し違いますが、職場でもちょっと形を変えて似たようなことがあります。

上司になにか言われると萎縮してしまい、謝ったりへりくだった態度になってしまう。

または、上司に進言する場合に、妙にしたでに出てしまうのもおなじですね。

へりくだるという言葉の反対は?

したでに出るとかへりくだるという言葉の反対はなんでしょう?

と質問されて、うっかりすると「上から目線で言うこと」なんて答えてしまいがち。

したでに出ることの反対は、「対等に話す」ことですよね。

前述のカスタマーサポートの人の場合は情報提供をすることです。実際、翌日、別の担当者から電話がきて、情報提供いただいたときは、「問題が解決した!」とスッキリとしたものでした。

まずはこれから試してみて

いままで、何でも「すみません」と背中を丸め肩をすくめていた人が、突然、堂々とできるわけではありません。

おすすめは、姿勢良く、顔を上げてみるということです。

心の中はビビっていてもいいんです。まずは姿勢から変えてみませんか?

私自身、子どもの頃、緊張しているときも「堂々としている」とよくいわれました。

当時、姿勢はとても良かったんです。

この体験は、「緊張を乗り越えてがんばった」という努力を全く理解してもらえないというつらい体験でもありました。

しかし、おとなになってから「緊張しているときもそうは見えない」というのはむしろ良かったんだな、と思うようになりました。

謝りすぎていると軽く扱われる

へりくだっているとか、すぐに謝るというのか癖になっていると、知らず知らずのうちに軽く扱われるようになってしまいます。 「相手を上にしているんだから、相手は気分が良くなるから、そういう対応をしている私のことも大切にしてくれるんじゃないか」 そう思うかもしれないけれど、実際は、軽く扱われてしまうんですよね。 自分を下において平気≒自分を大切にしていない≒相手からも大切にされない、ってことなんじゃないかな。

誤りすぎる弊害

誤りすぎる弊害は2つあって

  1. 自分が考えているほどていねいには感じられない。
  2. 相手から軽く扱われてしまう。

堂々と対等に相手に向き合いましょう。

この記事を書いた人

アバター画像

本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。