情報が多すぎると集中力が妨げられる

コロナ禍ですっかり在宅勤務も定着しました。選択肢が増えることは良いことです。在宅勤務のメリット・デメリットはいろいろありますが、皆さん、メリットとして一様に上げるのは通勤時間がないということ。それは本当に大きなことですが、他にもメリットはあるんですよ。

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。限りあるエネルギーを本当に大切なことに使うためのコツをお伝えしています。中心はコミュニケーションや上手な時間管理・習慣化。

特にコミュニケーションでは、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴うなかでも協調していくための伝え方のコツをご提案しています。「頭でわかった」ではなく、実際に身につき日常で使えることを目指します。

集中力がなかった社員

八代さん(仮名)は会社を休みがちということで産業医に相談がありました。仕事をさせればきちんとした期待通りの仕事をしてくれるというのが、上司の八代さんに対する評価でしたが、いかんせん、休みがちなので業務の割り振りも難しい、と上司は頭を悩ませていました。

ただ、八代さん本人の実感は上司の評価とはずいぶん違っていました。八代さんは私に、

「会社で仕事をしていると、気が散るんです」

「私、集中力がないんです」

と訴えていました。

気が散る・・・集中力がない・・・おまけに休みがち・・・

私は正直なところ、困ってしまいました。

在宅勤務で仕事の効率がめちゃくちゃ上がった

面談を始めてしばらくして、徐々に勤務状況は改善していきました。それでも、集中力がない、気が散るという話が続いていました。

当時は社内に在宅勤務の制度はあれど、あまり活用はされていないという状況でした。しかし、ある時、八代さんが面談で「先日、在宅勤務をしたんですが、めちゃくちゃ仕事の効率が上がりました!」と言うではありませんか!

「へえ、それは良かった。何が良かったんだと思いますか?」と私は興味津々で尋ねました。

「音がしないことと、動くものが目に入らないからです」

当時の私にはやや意外な答えでした。

入ってくる情報量が多すぎると集中力が妨げられる場合がある

八代さんはその後、当時の社内の空気にあわせて、基本は出社で対応。しかし、仕事が溜まってきたときや、集中力が必要とされる仕事のときは、あえて在宅勤務を選ぶようになりました。八代さんは一人暮らしだったことも在宅勤務がやりやすかった理由の一つでしょう。

八代さんは自分では意識はしていませんでしたが、最近広く一般にも知られるようになった繊細さんだったのではないかと思います。

会社で仕事をしていると、色々な人の話し声やら物音がする。それらが気になって仕方がない。

また、色々な人がオフィスに出入りしたり、社員がオフィス内を移動する。そういう人の動きが目に入って気になる。それらを八代さんは、「自分は集中力がない」「自分は気が散る性格で」と言っていたのです。

聴覚、視覚から入る情報が多すぎて、集中できない。でも、自宅なら限られた音しかしないし、それも自分が普段聞き慣れた音です。自分がモノを動かさない限り、勝手にウロウロと物が動くこともありません。

聴覚、視覚から入る情報が格段に少なくて済むのです。それが集中力アップに繋がったのでしょう。八代さんは集中力はあったのです!

自分にあったやり方を見つける

八代さんは自分の仕事のスタイルを見つけ、その後は順調です。八代さんが繊細さんかどうかはここではあまり問題ではありません。自分にあったやり方を見つけるために試行錯誤をしてみましょう。

八代さんと同じく、「集中力がない」というのは単なるあなたの思い込みで、実は環境を変えれば集中力を発揮できるかもしれません。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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