その習慣、今も必要ですか?ーロバート・キーガン氏のITCワークショップ

昨年11月に、「なぜ、人と組織は変われないのか」「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」の著者の一人であるロバート・キーガン氏のワークショップに参加する機会がありました。会場は少し小さめで、二人一組になって話をしながら進めていく形だったので、熱心な参加者による周囲の話し声で、なかなか話に集中できないという点はありましたが、熱気に溢れた会場でのキーガン教授自らのワークショップで得るところがたくさんありました。まず、本を読んだだけでは今ひとつ腹落ちしなかった、免疫マップについて、やっと腹落ちしました。

まず、ITCとはなにか?ITCとは、Immunity to Changeの略です。変化、変革から自らを、あるいは自らの組織を守るシステム=免疫システムという名称です。私たちは実はたくさん、向き合いたくない現実、向き合いたくない傷を持っている。一見良くない習慣も、それら現実や傷と向き合わずに済むように私たちを守ってくれているのかもしれない。そこをしっかりと見つめずに表面的な方法を行なっている限り、持続的に良くない習慣から足を洗うことはできないというのです。

はためには良くない習慣だったとしても、はじめは辛いことから私たちを守ってくれた習慣だったのかもしれない。でも、今の私はその辛い現実からは距離を置けている。ならば、今もその習慣は私にとって必要なものだろうか?そう問いかけてみる。その具体的な方法論です。

このワークショップに参加して最も良かったと思ったのはこのことで、良くない習慣とわかっていて改善できない自分を単に「だめな私」と切り捨ててしまうのではなく、どんな体験、傷、思い込みから守ってくれていたのか深堀りししていくことです。まだまだたくさんあるだろう私の良くない習慣も時折、免疫マップを書いて棚卸ししたいと思いました。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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