人や社会とのつながりを感じると安心する・・・実は自律神経の仕組みだった!

産業医・伝え方コーチの本間季里です。
産業医歴9年、延べ4000人のお悩み解決実績。
脳科学と心理学をベースにしたコーチングで「あなたの目指すゴール」へ最速でお連れします!

ひとはつながりを感じたとき、安心する生き物

あなたは学校や会社を長期にお休みしたことありますか?病気でお休みというだけでなく、育休を取得して1年とか2年、職場を離れた方は多いでしょう。

その間に、

●スムーズに職場に復帰できるんだろうか?

●自分の居場所はあるんだろうか?

●学校で元のように楽しく過ごせるんだろうか?

こんな不安を感じたことはありませんか?

そんな風に不安を感じたとき、学校から、会社から「どうしていますか?」と連絡が来ると、とても安心しますよね?

「私は社会とつながっている」そんな安心感が得られるのではないでしょうか?

そうなんです!人間って、人と人とのつながりを感じるとき、安心したり安らいだりする動物なんですよね。

これがどういう仕組によるものか、近年わかってきているんです。今日から3回にわたって、その話をしていきますね。

自律神経は2種類と思っていませんか?

私が医学部で勉強をしていた頃は、自律神経は交感神経と副交感神経の二種類で、交感神経は活動するときや戦うか逃げるかなどのときに優位になる。一方、副交感神経はリラックスモードのときに優位になると教わりました。そして、交感神経と副交感神経は一方が優位なときはもう一方は静かにしているもの。

今でもそういう理解の人が大半ではないでしょうか?しかし、なんとなんと副交感神経には二種類あるということがわかってきました。

副交感神経の主なものは迷走神経(めいそうしんけい)という神経です。面白い名前ですよね。その迷走神経には進化の過程で2つに分かれ、

1)腹側迷走神経(ふくそくめいそうしんけい)

2)背側迷走神経(はいそくめいそうしんけい)

に分かれました。

だから最近では、自律神経は3種類、

1)腹側迷走神経(ふくそくめいそうしんけい)

2)交感神経(こうかんしんけい)

3)背側迷走神経(はいそくめいそうしんけい)

と言われています。

腹側迷走神経:3つの自律神経の働き1

さて、それぞれの役割なんですが、その役割を知るうえで、冒頭に上げた話が良い例になるんです。腹側迷走神経は、社会的なつながりを感じて安心したり安らいだりするときに関わるもの。隣近所のつながりがあって、何かのときには助け合えるという安心感。冒頭の例はこれに相当しますね。

また、腹側迷走神経優位の状態は、心理的安全性を感じている状態とも言えるわけです。こういう職場では、安心してリスクを取ったチャレンジもできるでしょう。

交感神経:3つの自律神経の働き2

二番目の、自ら問題をなんとかしようとしているときに優位になるのが交感神経です。これは今まで私達が理解していたとおりなので、わかりやすいですよね。

●例えばどこが怒りのスイッチなのかわからない上司のもとで、「いつ叱られるか」と緊張しながら働いているとき。←いつもビクビクしている状態です!!

●暑いとか寒いとかの気候の変動などもそうですね。わたしたちは気候を始めとした環境からの強い刺激を常に受けていて、それに対処したりただ我慢したりしています。

こういうとき、どんな気分になるでしょうか?興奮気味で、集中していて、アドレナリンがバンバンでている状態ですよね。血圧も上昇気味。でも、この状況が長く続くと疲れてしまいます。

背側迷走神経:3つの自律神経の働き3

最後の背側迷走神経は、自分でなんとかしようとしても、それではとても対処できないほどの危険が迫っているとき、あるいは長く体調不良が続いたときなどに優位になる神経です。

こういうとき、あなたはどんな気持ち、状態になるでしょう。落ち込み、何もしたくない、無力感、動きたくない、誰とも会いたくないし、外部の情報など遮断してしまいたい・・・

背側迷走神経は、最低限、命を守るための神経とも言えるでしょう。

普段の私達は

そして、私達は普段からこの三段階を自由に行き来しているのです。この三段階を自由に行き来しているというのが健康な状態、心の回復力があるレジリエンスのある状態と言うのですね。

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産業医として、伝え方コーチとして、毎日たくさんの方の話を聞いてきた経験を元に、「自分が疲れない話の聞き方のポイント」についてまとめた本です。
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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。