35,000回ってなんの数字かわかりますか?

35,000回ってなんの数字かわかりますか?

産業医・伝え方コーチの本間季里です。

一日に決断する回数

答えは・・・人が一日に決断をする回数だそうです。ケンブリッジ大学のSahakian教授の研究によるものです。驚きますよね。

多くの人は「いえ、そういう人もいるかも知れませんが、私は責任ある立場にいるわけではないし、そんなに決断はしていません!」と言いたくなるかもしれません。

ここで言う決断とは?

今私がここで言う「決断」という言葉と、皆さんが日常使っていて、いまイメージする「決断」という言葉はちょっと意味合いが違うと思います。

決断とは辞書によると「意志をはっきりと決定すること」と書いてあります。そう、例えば「会社をやめようと決断した」「上司からプロジェクトに参加するか否か、決断を迫られた」みたいな使い方をするのが一般的。

でも、ここで言う決断はもう少し軽いものも含みます。

●今日、仕事でなにを着ていこうか・・・

●昼はなにを食べようか・・・

●実家に帰るのに、高速道路を使おうか、それとも一般道で行こうか・・・

●あ、苦手な本間さんが来た。挨拶しようか、知らん顔しようか・・・

●今日、上司にお客さんから叱られた件を報告しようか、やめようか・・・

●夜ふかししてこの映画見るか、明日のことを考えて今、寝るか・・・

ちょっと書き出しただけでもこんなにサラサラ出てくる!そもそも、めざまし鳴って、「今起きようか、もう少し寝ていようか」ということだって、今日のスケジュールを考えて、今起きるメリットと、もう少し寝ているメリットを天秤にかけてどちらかに決めているわけです。

そう考えると、誰でも一日に35,000回の決断をしているというのは、あながち特別な話ではないことがわかります。

決断回数が35,000回って、一体なにが問題なのか?

問題は、その決断一つ一つに

1)どちらの決断のほうが良いのか?

2)決断することによる、ほかへの影響は?

3)選択肢それぞれのメリット・デメリットはなにか?

を考慮しながら決めているということ。どんなに簡単なことに見えても、これだけのことを考えたうえで決断をしているということなのです。

脳が疲れるのが問題なんです・・・

そりゃ、脳が疲れるわ・・・

あなたが意識していなくても、脳はフル回転なんですわ・・・

で、結局、こういう細々細々したことで脳のエネルギーを使ってしまって、毎日のルーチンワークだけでへとへと・・・そして・・・大切な決断は後回し、ってことになりはしませんか?

だから、ステーィブ・ジョブスは「今日何を着ていこうか」ということに脳のエネルギーを使わなくてもいいように、着るものは黒のタートルネックとジーンズに決めていたのです。

現役時代のイチロー選手は、自分の体調、野球の試合のこと以外のことを考えなくて済むように、行動パターンを決めていたのです。

そうやって、自分にとって本当に大切なことに集中できる仕組みを作っていったのです。

決断回数を減らすのは、大切なことに集中できる仕組み作り

くよくよといろいろなことを考えているあなた。簡単に決められること、定期的に繰り返して行うことはルーチン化して、余りそこに神経を集中させずに済むようにしていきましょう。

「あの人に挨拶しようか、無視されたら嫌だな」とくよくよ考えていないで、さっさと挨拶する。

「あいつは新人だからな」とぞんざいなことば遣いをする、その舌の根も乾かぬうちに、上司に対してはもみ手すり手でていねいな言葉で話をする。

そこにも相手を判断するというステップが入っています。

そんなことにエネルギーを使うくらいなら、誰に対しても同じていねいな言葉で話しかければいいではありませんか?

そうやって、自分の生活の中の無駄な判断を洗い出して、無駄なエネルギー消費を抑えましょう。そして、大切なことに向けるエネルギーを残しておきましょう。

この記事を書いた人

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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