いつも不機嫌な人~その態度は、心を守るための鎧かもしれません~

理由はわからないけれど、いつも不機嫌そうな人。あなたの周りにもいませんか?

最近では不機嫌ハラスメント(フキハラ)という言葉も生まれ、以下に多くの人が困っているかがわかります。
一緒にいるだけで気を遣うし、正直、不愉快ですよね。だからみんな、そっと離れていく。自分で蒔いた種でしょう、と言われれば、その通りかもしれません。

でも今日は、あえてそういう人について考えてみます。

面談室にドスッと座った人

その人は面談室に入るなり、椅子にドスッと腰を下ろし、あからさまに不機嫌な顔をしていました。まるで、職員室に呼び出されて不貞腐れている中学生のようです。

「勤務態度が悪い」という上司からの相談依頼でした。会議中に居眠りをする、なんとなく暇そうにしている。取引先からも「本当に仕事をしているのか」と疑念を持たれている。その裏に病気が隠れていないか診てほしい、というご依頼でした。
正直、第一印象は「何をそんなに不貞腐れているのかな」でした。

経緯を聞いても、事実と感情と不満が全部混ざった話し方をするので、全体像を掴むのに苦労しました。二回目も三回目も、不機嫌なままでした。

けれど回を重ねるうちに、少しずつ伝わってきました。この方は、仕事についていけないことに深く悩み、気落ちしている。そして、それを口に出せずにいる、と。

「自分はだめなんじゃないか」 「どこに行っても使い物にならないんじゃないか」 「でも、昔からこうだったわけじゃない。適性も見ずに頭数合わせで異動させた会社にも問題があるだろう」

わがままだ、という言葉で簡単に片付けられるでしょうか?

恥ずかしさは、時に怒りの顔をする

でも、ちょっと立ち止まってみてください。

あなたは、自分の劣等感を人に素直に言えますか?
しかも相手が、自分の評価を決める上司だとしたら。

人は、「こうあるべき自分」と「現実の自分」のギャップが大きいとき、いろいろな反応をします。否定する。誰かのせいにする。不貞腐れる。そして、怒る。

当たり前にできるはずのことができない。だから心の中で深く恥じている。でも、その恥ずかしさをまだ言葉にできない段階では、怒りや不機嫌という形をとって外に出てくることがあるんですね。

あなたにも覚えはありませんか。周りが軽々とこなしていることが、自分だけどうしてもできない。相談すべきだと頭ではわかっている。でも、怖くて、恥ずかしくて、言い出せない。だから不貞腐れる。そうやって、自分の心を守っている。

その人は時間をかけて、少しずつご自身の悩みを話してくださるようになりました。上司と相談して、適性に合う職場へ異動。今では別人のように、職場を支える戦力になっています。

接するときの、たった一つのコツ

不貞腐れることが良いわけではありません。でも、それも人間なんだと思うのです。

そういうこともあると知って接してみる。それだけで、見える景色が少し変わります。

コツは一つ。「あなたのことはわかっているよ」という、見透かした態度を取らないこと。

優しさのつもりでも、相手には上から目線に映ります。鎧を着ている人は、上から見られることに一番敏感ですから。
必要なのは、対等な目線。ただ隣に座って、その人が鎧を下ろすまでの時間を待つ。

明日、あの不機嫌な人とすれ違ったら、「今日はご機嫌ななめですね」ではなく、ただ普通に挨拶をしてみませんか。それだけで十分、はじめの一歩です。

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この記事を書いた人

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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