私の中の怒りの火種:私がずっと寄付をできなかったわけ

こんにちは。ストレスマネジメント・コーチの本間季里です。コミュニケーションの方法を少し変えたり強みを知り活かすことで自分や相手への理解を深め、個人と組織の幸福度を高めるサポートをします。 

何年も前に「あなたの中にはずっと怒りの感情がありますね」と言われたことがありました。驚くと同時に「見える人には見えているんだなあ」としみじみ感心しました。この言葉には続きがあって、「でも、その怒りの感情は以前に比べるとずっと小さくなっているけれど、それでもまだ残っていますよね」。 

私は長い間、寄付というものができませんでした。寄付をするかどうかというとき、何故か心に強い引っかかりを感じていたのでした。へそ曲がりだとか、優しさが足りないだとか言われたこともありましたが、自分でも長い間理由がわかりませんでした。上記の言葉を言われてしばらく経ってから、ふいに自分の中でいろいろなことが繋がりました。 

私は子供のころからずっと、誰かに助けてほしかった。家庭が安心安全の場ではなく、家族といるとき私はいつも警戒し、慎重に振る舞っていました。家族間の緊張を和らげようと先回りして必死に良い子を演じていましたが、私の思いとは別に家庭の中が殺伐としてくると「自分がこれだけ努力してもだめなんだ」と無力感に襲われるようになりました。そんな環境から本心は誰かに助け出してほしかった。でも、誰も助けてくれなかった。その思いがいつの間にか私の中で、世の中に対する小さな恨みつらみとなっていったのだと気が付きました。 

子供の私は、皆が寄付を呼びかけるような、誰もがわかることなら助けてもらえていいよな、世の中の不幸はそういうことだけじゃないと思い、私の中に火種のように怒りがチロチロと燃えていたのです。怒りの裏側に張り付いている感情は、受け止めてもらえない悲しさでした。 

ずっと自分の生きづらさに向き合い、高齢になった両親と向き合い彼らを理解し、二人を看取り、それらのプロセスのなかで次第に両親と自分を受け止め受け入れられるようになりました。そう、今ではわだかまりなく寄付もできますし、世の中に対する恨みつらみも消失しています。 

いつも怒っていると言われる、きついと言われて困惑している、自分は正しいことを言っているのになかなか通じない、自分のしていることは正義だと周囲の無理解に腹が立つ。そんな方がいたら、「自分の中の怒りの火種」がないかどうか、一度振り返ってみませんか。 

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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