心理的安全性と聴くこと

こんにちは。ストレスマネジメント・コーチの本間季里です。コミュニケーションの方法を少し変えたり強みを知り活かすことで自分や相手への理解を深め、個人と組織の幸福度を高めるサポートをします。 

私は常日頃、「聴くこと」を繰り返し繰り返しトレーニングするだけで、企業研修は十分ではないかと思っています。「聴くこと」がしっかりできる人は自分自身の幸福度が高まるでしょうし、そういう人が多い組織は意思疎通も良好で、結果的に話を聴いてもらえるので話をする機会も増え、生産性が上がるのではないかと考えるからです。一方、日頃こういう訓練をしている人は、仕事のときだけでなく、当然仕事以外のときにも人の話をよく聴くようになるので、プライベートでも聴き上手になるはず。したがって、家族関係を含めたプライベートの人間関係も良くなるなど、良いことづくめだろうな、と妄想しています。 

私は仕事柄いろいろな人の話を聴く機会が多く、「こんなによく話を聴いてもらって良かった」と言われることが多いのですが、実は「へえ」「そうなんだ」「それは大変でしたね〜」とその変化型くらいしか言葉は発していなことがほとんどです。言葉以外の非言語情報の部分、例えば声の高低、大きさ、真剣さ、視線や顔の表情なども重要で、それらが一体となって「よく話を聴いてもらえた」という実感になるようです。 

相手の話をジャッジせずに聞くことも大切。いちいちジャッジされていると感じた瞬間に人は話す意欲が失せ、心を閉じてしまうものです。たとえ自分の価値観ややり方と違っていたとしても、相手には相手の事情があるし理由があるかも知れません。それが自分に新しい視点や価値観をもたらしてくれるかもしれないですよね。 

職場で、プライベートで、こんなふうに聞いてもらえたら、新しいアイデア、ちょっとした弱音、気がかりなことを早めにあげることができるようになるのではないでしょうか。心理的安全性がある職場、組織はそういうことから生まれるのでは、と考えています。課題は小さなうちに対応する方が、解決への時間とエネルギーを少なくすることができます。それらが聴くというトレーニングで得られるとしたら、取り組んでみる価値はあるのではないでしょうか? 

聴いてもらうことで気持ちの整理がついた、違った視点が見えてきた、その結果次の行動変容につながった、そんな経験を持った人は話を聴くことの効用を実感できるので、「聴く人」へと階段を一歩上がっていくことでしょう。そんなポジティブな連鎖が起きると良いなと思っています。 

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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