一人ひとりの感情を大切にするべきたった一つの理由を産業医が伝授

こんにちは。伝え方改善コーチの本間季里です。あなたのコミュニケーションをより良くするために、あなたの性格を変えるのではなく、伝え方を変えるサポートをします。頭でわかった、ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

感情が入る余地がない仕事

世の中には感情が入り込む余地がない仕事というものがたくさんあります。データを扱う仕事、お金を扱う仕事、ルールを扱う仕事、インフラを扱う仕事などなど上げたらきりがありません。

私の前職も、免疫学の基礎研究という、科学的なデータを扱うそんな仕事の一つでした。

ある日、上司とぶつかった件

職場の上司はあまり部下の感情に配慮しない人でした。わかっていて配慮しないと言うより、気づかないと言ったほうが正しかったかもしれません。

ある日、ちょっとした行き違いによる事件があり、私は上司に改善の要望を伝えました。その際に「もう少し、私たちの気持ちにも配慮してください」と言ったのです。すると上司は、「気持ちとかなんとか、あなたは何を言ってるのか?私達がやっている基礎研究は、感情の入る余地のないものなんですよ」と言いました。

それに対して、「そのとおりです。私達がやっている研究成果は感情が入る余地はありませんが、そのデータを出しているのは感情を持った私達人間、一人一人なんですよ」と私は言ったのでした。

我ながら今考えても「よく言った!あの場面でよくことの言葉がスラスラと出てきたもんだ」と感心します。

人は感情の生き物だから、感情に配慮する

当時はマネジメントに感情を考慮するということは声高には言われていませんでしたが、どんな仕事も人が関わる以上、その関わる人の感情というものを考慮したマネジメントが大切です。それは日々の大小のミーティングでどんな言葉をかけられるかによって、その人のパフォーマンスが上下するのをあなたも見ているでしょう。

仕事は成果が大事で、どんなにそのプロセスで頑張ろうと結果が悪ければ意味がない。感情という個人的なことを考えるものではない。そういう意見もあるかも知れませんが、働く人の感情を大切にすれば「ここぞ」というときに踏ん張る力も出るものですし、助け合う関係性も出来上がっていきます。

感情の入る余地のない仕事であっても、その仕事に携わっている人たちの感情に目を向け、感情を大切に扱うのは最も重要なことです。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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