こんにちは。伝え方改善コーチの本間季里です。あなたのコミュニケーションをより良くするために、あなたの性格を変えるのではなく、伝え方を変えるサポートをします。頭でわかった、ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。
もう何年も前のことですが、父がボロボロのキーホルダーを使っていました。「新しいのにしたら?」と聞いたら、「むかし、お母さんがプレゼントしてくれたものだ」というではありませんか。お母さんとは、父の妻、つまり私の母のことです。
ボロボロだけど、よくよく見てみるとカルティエのもの。そうか、カルティエだったか。。。こんなボロボロでも、カルティエくらいのブランドなら、父の気持ちを汲んで修理をしてくれるに違いない、と思い、東京・銀座のカルティエ銀座本店まででかけていきました。
修理の受付はエレベーターで地下に降りていったところにありました。もう4年ほど前のことだったので、そこには沢山の人が修理依頼に訪れていました。
必要事項を申込書に書き、ふかふかの贅沢なソファで待っていると、担当の人がやってきました。事情を話し、もう古いものではあるので、多少歪みが出てもいいのでなんとか修理してもらえないだろうか、と付け加えました。修理部門の判断ですのでなんとも言えません、というやや素っ気ない返事で、カルティエ銀座本店をあとにしました。
一週間後、修理は引き受けられないとの返事が来ました。もう一度お願いしましたが、だめでした。新しいのを購入されては、と言われたのには正直がっかり。
で、私も少し意地になり、革製品の修理職人探しが始まりました。少し探すと、なんと、自宅のそばに革製品の修理職人がいるではありませんか?早速、メールを出して事情を話してみました。まずは製品を見てからということで、でかけていきました。
九十九里の海沿い。その職人さんは仕事の合間にはサーフィンも楽しんでいるようです。現物を見ていただき、事情を話して、「多分大丈分です」と引き受けてもらいました。それから1ヶ月、革がぼろぼろだったので、周囲のテープを少し太めにせざるを得ず見た目がどうかな、と言いながら送付されたのが写真のものです。
父はお金をかけて修理しなくてもあのままで良かった、とかなんとか言ってはいましたが、亡くなるまで大事に使っていました。今は私がそのまま使っています。
結構身近に、地味だけどていねいに仕事をしてくれる職人さんっているものですね。