コミュニケーションにおける批判の受け止め方:正当な批判と不当な批判を自分で判断する

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

10数年前、コミュニケーションスキルの講座に参加し始めたとき、「正当な批判、不当な批判に対処できていますか?」と講師から質問を投げかけられて、心底びっくりしました。

「正当な批判、不当な批判って、なに言ってんの?」

「批判は批判なんじゃないの?」

「批判に対処するってどういうこと?」

当時、私の中では批判はたった一つ。不当も正当もなく、批判される方が悪いと思っていました。だから批判されると、自分のどこがいけなかったのかとずっと考え続けていました。

でも、コミュニケーションの講座に継続して参加し、休憩時間の間に参加者の方たちといろいろな話をするようになって、徐々に批判や評価は全部受け入れる必要はない、どれを受け入れてどれは受け入れなくても良いのか、それは自分で判断して良いのだと納得できるようになっていきました。

こう思えるまでに、一年ほどの時間が必要でした。

批判には

  • 「耳が痛いけれど、たしかにそうだな」と思うもの≒正当な批判
  • 「いや、どう考えてもそれは違うのではないか」というもの≒不当な批判

の2つがありますよね。

「耳が痛いけれど、たしかにそうだな」という場合には素直に「耳が痛いのですが、確かにそういうところはあります」と認め、改善する。ときには穴があったら入りたい気分になることもあります。

一方、「それは違う」という場合にはしっかりと「それは違うと思います」と伝えて良いのです。

なぜなら、批判をしている相手が絶対正しいというわけではないから。相手も、ものごとの一面だけを見て判断しているかもしれないし、判断そのものにバイアスがかかっているかもしれない。

まずは、自分の中で正当な批判なのか、不当な批判なのか、ワンクッションおいてしっかり判断してみませんか?

コミュニケーションの責任は、相手と自分の50−50なのですから。

この記事を書いた人

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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