こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。
10数年前、コミュニケーションスキルの講座に参加し始めたとき、「正当な批判、不当な批判に対処できていますか?」と講師から質問を投げかけられて、心底びっくりしました。
「正当な批判、不当な批判って、なに言ってんの?」
「批判は批判なんじゃないの?」
「批判に対処するってどういうこと?」
当時、私の中では批判はたった一つ。不当も正当もなく、批判される方が悪いと思っていました。だから批判されると、自分のどこがいけなかったのかとずっと考え続けていました。
でも、コミュニケーションの講座に継続して参加し、休憩時間の間に参加者の方たちといろいろな話をするようになって、徐々に批判や評価は全部受け入れる必要はない、どれを受け入れてどれは受け入れなくても良いのか、それは自分で判断して良いのだと納得できるようになっていきました。
こう思えるまでに、一年ほどの時間が必要でした。
批判には
- 「耳が痛いけれど、たしかにそうだな」と思うもの≒正当な批判
- 「いや、どう考えてもそれは違うのではないか」というもの≒不当な批判
の2つがありますよね。
「耳が痛いけれど、たしかにそうだな」という場合には素直に「耳が痛いのですが、確かにそういうところはあります」と認め、改善する。ときには穴があったら入りたい気分になることもあります。
一方、「それは違う」という場合にはしっかりと「それは違うと思います」と伝えて良いのです。
なぜなら、批判をしている相手が絶対正しいというわけではないから。相手も、ものごとの一面だけを見て判断しているかもしれないし、判断そのものにバイアスがかかっているかもしれない。
まずは、自分の中で正当な批判なのか、不当な批判なのか、ワンクッションおいてしっかり判断してみませんか?
コミュニケーションの責任は、相手と自分の50−50なのですから。