有漏と無漏

我が家のカレンダーの一つは、菩提寺が毎年送ってくる一ヶ月分の日めくりカレンダーです。ふっと笑ってしまったり、気持ちが引き締まったり、その日によっていろいろ味わい深い言葉が並んでいます。

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

最近、「ほお〜」と思ったのは、「うろうろ」。漢字は「有漏有漏」を当てていました。へえ、うまい当て字だなと思ったら、これ、立派な仏教用語なんですね!今、念の為調べて知りました!

漏っていうのは煩悩のこと。だから、煩悩に迷うのを有漏(うろ)と言うんだそうです。そこからうろうろというようになったのだそう。一方、煩悩に迷わない状態を無漏(むろ)と言うんですって。

たしかにその日の一言は「まよわないで おちついて」。なるほどな〜、と思ったのですが、私は違う解釈をしていました。

うろうろして迷っていると、エネルギー漏れを起こしてしまうよ、おちついて。

漏はその名の通り漏れること。エネルギー漏れはいけないよ。エネルギー漏れを起こさないように工夫が必要だね、という意味かと。

私たちが持っているエネルギー量に、それほどの違いはないはず。それを、本当に大切なところに注ぐか、そうでもないところにもあちこち撒き散らかして、大切なところにエネルギーを注げずに生きていくか・・・

例えば、ある電気製品の電池が切れた。家には予備の電池がない。でかけたついでに買おう、と思うけれども、ついつい忘れてしまう。その電気製品をみて「あっ、電池買い忘れた!!」だけど、これがなかったからといって生活できないわけじゃないし、次は忘れないようにしよう。

で、次も忘れる・・・いつまで経っても電気製品を使えない。いつも心にちょっと引っかかる。そんな自分にもかすかに嫌な気持ちになる。かすかだから、無視してしまおうとすれば無視できる。

でも、そういうことって積もってくるんですよね。だから、小さなことこそ疎かにしてはいけないんです。「こんな小さなこともできない私」って自分に帰ってくるから。

一つ一つにその都度、できる限りカタをつけていく。暫定的でも良いんです。もし、ちょっと横においておこう、という判断をしたなら、頭から追い出す。

そうやって、自分の頭の中を整頓しておくと、エネルギーの使いみちがシンプルになって、大切なことにエネルギーを注ぐことができるようになるんですよね。

有漏有漏していませんか?

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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