未来を開く一歩:サンクコストに縛られずに新しい道を選ぶ

あなたはなにか新しいことを始めようと思ったときに、今まで時間をかけて積み上げてきたもの、例えば人間関係、スキルや実績を捨ててイチからまた作り上げるのか、と不安になってやめてしまったことはありませんか?

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。限りあるエネルギーを本当に大切なことに使うためのコツをお伝えしています。中心はコミュニケーションや上手な時間管理・習慣化。特にコミュニケーションでは、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴うなかでも協調していくための伝え方のコツをご提案しています。「頭でわかった」ではなく、実際に身につき日常で使えることを目指します。

サンクコストとは何か?

サンクコストという言葉をご存知でしょうか。サンクコスト、日本語では埋没コストとも言いますが、これはすでに投下したコストもうち、回収できないもののことを指します。

例えば、仕事を始めてからずっと英語の勉強を続けてきた田中さん(仮名)。田中さんはこれまで英会話学校、個人授業、自宅学習や短期留学などで、英語学習にかなりの額を投資してきました。

きっかけは、社会に出て仕事も覚えて少し余裕が出たころ、「これからの時代、英語くらいはできなくちゃね」という世の中の流れでした。「そうだ、ビジネス英語が堪能なら将来的に色々な道が拓ける」と思って英語の勉強をはじめました。

しかし、仕事は忙しくなるばかり。忙しい業務の合間の英語学習は、ツールに頼ることになりました。しかし、英会話学校、ネイティブの個人授業は忙しさでキャンセルが多く、上達とは程遠く。

毎日ヘトヘトで帰宅してから頑張って英語学習をするというのも結局続かず。それならと短期留学も試みましたが、1〜2週間くらいでは目に見えての効果も上がらず終わりました。

田中さんは時々考えます。実際には仕事で英語を使うわけでもなし、ココはきっぱりとやめてしまおうか・・・

それでも田中さんはこれまで投資してきた金額を考えると英語学習をきっぱりやめることはできません。なぜなら、「いままで使ってきたお金がもったいない。なんとかもとをとらなくちゃ」という意識が働いてしまうのです。今まで投資してきた金額、時間、努力が「サンクコスト」で、田中さんはこのサンクコストに引っ張られて、いつまでも中途半端に英語学習から離れることができないでいるのです。

サンクコストは、時間や努力、お金や実績など様々な形で存在します。多くの人々がこのサンクコストに縛られ、新しい選択を避ける傾向があります。

本当に目を向けるべきはなにか?

だれでもこれまで自分が積み上げてきたものを手放すのを恐れます。自分が何も持たない状態に戻ってしまってイチから再び積み上げていくなんて・・・と恐れを抱きます。

私自身の経験や、たくさんのクライアントの人たちとの話の中で気付いたのは、「これまで築き上げてきたのは、単にものや実績だけではない」ということです。本当に大切で目を向けるべきことは、それらの人間関係・実績を作り上げてきたあなたの能力や経験であるということ。これらの能力や経験は、どこに行ったとしてもあなたとともにあるもの。新しい環境や場所で、それを活かすことができるのです。

前の環境で作り上げ積み上げてきたことは、形が変わっても次の環境でもできるはず。これまで積み上げてきたものを失う不安よりも、それらを積み上げてくることができた、あなた自身の能力にこそ目を向けるべきではないでしょうか。

過去の投資や努力に縛られず、勇気を持って新しい道を選ぶことは時には大切なこと。あ、自分はサンクコストに引っ張られているな、とまずは気づくことから始めましょう。そこからサンクコストにとらわれず、あなたの真の価値を信じて未来への貴重な一歩を踏み出せることもあるかもしれません。

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産業医として、伝え方コーチとして、毎日たくさんの方の話を聞いてきた経験を元に、「自分が疲れない話の聞き方のポイント」についてまとめた本です。
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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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