オンラインセミナー「産業医が教える!頼られても心が疲れないコツ」開催しました

10月7日(土)、やっと涼しい気持ちの良い気候になった土曜日の午後にオンラインセミナー「産業医が教える!頼られても心が疲れないコツ」を開催しました。

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴うなかでも協調していくための伝え方のコツをご提案しています。「頭でわかった」ではなく、実際に身につき日常で使えることを目指します。

開催まで

このテーマでのオンラインセミナーは初めての開催でした。以前から「一日中、話を聴いていて疲れないコツを教えて!」とは言われていたのですが、私にはそんな資格はないと思っていたのです。

なぜなら、10数年前まで私自身が人の話を聴いてはぐったり疲れていた張本人だったからです。「一生懸命に聴いているからだ」と当時は思っていたのですが、それでもとてもつらかった。

自分がつらいから、本も読んだしネットで関連記事を見つけては舐めるように読んでいました。いろいろと試行錯誤を積み重ね、相手の反応を見ながら修正をかけていきました。

その試行錯誤が、8年前に産業医になってから役立ったというわけです。気がつくと、あまり疲れずに一日話を聴くことができるようになっていました。

だから私はそのプロセス、エッセンスを言葉にして伝えることができます。そう教えてくれた友人がいました。

「もとから意識せずにやれていた人だったら、そこまで一つ一つはなしができないでしょう。自然にやれていたんだから。あなたはその過程を言語化できる。それは強みだ」

それもそうです。それで開催をしてみようと思ったのです。

疲れるのは感情が大きく動くから

当日ご参加くださったのは医療職、社会福祉法人で働いている方でした。やはりみなさん、日々の業務の中で感情が動いて疲れを感じることが多いようです。

人の話を聴いて疲労を感じる理由の一番は、やはり話を聴きながら感情が大きく動くからです。私たちはおとなになると、どうしても自分の感情に無頓着になり、理屈でものを考えがちになります。でも、感情に蓋をしているだけで感情はいつもそこにあります。

「イラッとする」のも感情です。小さな怒りの感情です。「こうすりゃいいのに。もうそんなことにも気づかないなんて」と思うときにも、感情は動いています。人によって「そんなこともわからないなんて」という小さな怒りの感情かもしれないし、「早く教えてあげたい」という焦るきもちや「忘れないように覚えていなくちゃ」という緊張を伴った感情かもしれません。

いずれにしても感情が大きく動くと疲れます。そこで、感情が大きく動かない話の聴き方のポイントをお話しました。

参加者のご感想

(M.S様)

★セミナーご参加前にはどんな課題をお持ちでしたか?

 患者さん、部下とのかかわりあいで、忙しいとついつい冷たい対応になってしまうこと

★セミナーに参加してどんな成果が得られましたか?

 自分時間を大切にすること。自分と課題の分離をすること。

★ご感想やご意見をお願いします。

 話すお姿が安心感をあたえるのでうらやましいと思いました。私もそのようになりたいです。

 内容が盛りだくさんで1回の講習では身に着けることができないです。スライドの内容でわかれば出典なども記載してくれるとよいです。

(H.H様)

★セミナーご参加前にはどんな課題をお持ちでしたか?

 人の相談に親切に乗ってあげようとしても、なぜか反発されるのがストレス

★セミナーに参加してどんな成果が得られましたか?

 敢えて相談内容には答えない、アドバイスしない、本人が自分で解決できるように水を向ける方針で良いことを再認識できた

★ご感想やご意見をお願いします。

 エッセンスをぎゅっとまとめた解説と資料を有難うございました。Drの参加率が多かったので、他のDrのお悩み事について、いろいろ対話してみたかったです。

 レクチャーがコンパクトではあったのですが、なぜか長く感じたので、途中途中で参加者とのやり取り(特にレクチャーの内容に当てはまる参加者の体験など)が聴けると良いなと思いました。

 また各参加者の課題についてもう少し踏み込んだミニコーチングのような話が聞けると、満足感がアップするような気がしました。

(Y.M様)

★セミナーご参加前にはどんな課題をお持ちでしたか?

 長時間傾聴し共感することで疲れすぎる。また攻撃的な患者に対応することでひどく消耗する。

★セミナーに参加してどんな成果が得られましたか?

 「自分かわいさ」「相手にすごい人と思われたい」という欲を捨てる、という点が刺さりました。

 それと、相手に見下されようと、自分だけは自分を見下さずにいよう、というところも、刺さりました。自分自身が自分を認めるうえで、実は相手が自分をどう思っているかは一切関係ない、ということが腹落ちしたように思います。

 攻撃的な相手の話を聞く時、従来はとにかく傾聴して、相手の話の一部に同意できる箇所を見つけ共感することで、なんとか自分の理性を保ってきました。でも攻撃されても「あなたは私を無能だと思ってるのですね、そうですか」だけで無傷でいられれば、そもそも防御が要らないので、消耗しないで済むと思いました。 上記を心に留めながら仕事をすすめたいと思います。

★ご感想やご意見をお願いします。

 「相手がこちらを見下してることが気になるならば、それは実は自分の意識のベクトルが自分自身に向かっているのだ」という指摘にはまったくシャッポをぬぎました。

忌憚のないご感想をありがとうございました。次回からのセミナーに活かしてまいります。みなさん、良い笑顔です!

伝え方に興味がある方はぜひ、ご登録ください。読むだけで、伝え方に関する視点が増え、知らず知らずのうちにあなたの伝え方が変わっていきます。

産業医・伝え方改善コーチ・本間季里のメールマガジン

キンドル出版しました

産業医として、伝え方コーチとして、毎日たくさんの方の話を聞いてきた経験を元に、「自分が疲れない話の聞き方のポイント」についてまとめた本です。
相手の役に立ち、親身に寄り添うことで、温かい関係性を作りながらも自分が疲れずに関わっていくためのコツが書かれています。
特に、身につけるスキルよりも、手放すとうまくいく考え方に多くのページを割いて、わかりやすい事例とともに解説しました。

この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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