必要だけど煙たがられる仕事をどうかんがえるか?

産業医・伝え方コーチの本間季里です。
産業医歴9年、延べ4000人のお悩み解決実績。
脳科学と心理学をベースにしたコーチングで「あなたの目指すゴール」へ最速でお連れします!

煙たがられるけど、なくてはならない仕事の価値

組織にとって欠かせない。けれど、往々にして煙たがられがちな仕事ってありますよね。
会計監査、細かい規則が守られているかチェックする仕事、品質管理…これらの仕事を担当している方は、こんな経験はありませんか?

「また細かいことを言ってくる…」
「彼らがいるせいで仕事が進まない…」
「もう、ちょっとくらい良いじゃない!」

と言われて気持ちが沈む、なんて言う経験。

こういった反応に心を痛めたり、時には自分の仕事の意義を見失いそうになったりすることもあるでしょう。

なぜ、煙たがられる仕事が組織に必要なのか?

会計監査や細かい規則が守られているかチェックする仕事は、一見すると組織の動きを遅くする厄介者のように思えるかもしれません。しかし、これらの仕事こそが組織の健全性と持続可能性を担保しているのです。

これらの仕事は、組織を法的・倫理的な問題から守り、長期的には社会的な信頼を高めます。つまり、目に見えにくいけれども、組織の根幹を支える重要な役割を果たしているのです。

煙たがられる仕事と人格を混同していませんか?

実は、問題の本質は煙たがられる仕事をしている人ではなく、その仕事と人格を混同してしまう周囲の人々の認識にあるのかもしれません。

1. 仕事と人格は別物と分けて考える
会計監査や細かい規則が守られているかチェックする仕事を行う人が、厳しく細かいことを指摘するのは、その人の性格ではなく、仕事の性質によるものです。

2. 誠実さの表れ
細かいルールを指摘することは、むしろその人が仕事に誠実に取り組んでいる証拠と言えます。

3. 組織を守る重要な役割
一見煙たく感じる指摘も、実は組織を守るための重要な役割を果たしています。

4. 認識の転換が必要
「この人は面倒くさい」ではなく、「この仕事は組織に必要不可欠だ」という認識の転換が求められます。

5. mutual respectの文化づくり
それぞれの仕事の重要性を理解し、互いの役割を尊重し合う文化を育むことが大切です。

仕事への誠実さを正しく評価する

煙たがられる仕事を担当する人々は、決して意地悪や融通が利かないわけではありません。彼らは単に、自分の役割に誠実に向き合い、組織のために必要な仕事をしているだけなのです。

問題は、その仕事の性質と人格を混同してしまう周囲の認識にあります。仕事上の厳しさや細かさを、その人の性格と結びつけて考えてしまうことで、不必要な軋轢や誤解が生まれてしまうのです。

このことに気づかせてくれたのは、アメリカ留学をしていたときの研究室のドイツ人研究者。彼女が冷蔵庫に入れてはいけない牛乳パックをちょっと置いといたときに、運悪く備品の保管状況のチェックが入ったのです。

やはり牛乳パックは見つかりました。ペナルティを課されたのですが、当然周囲は「すぐに出せば問題ないじゃない」と、その検査員を「厳しすぎる」と言ったのです。

でも、当の彼女は「でも、それが彼の仕事だから。誠実に仕事をしただけ。彼は正しい」とけろっと言ったのです。そのときに、なるほど、彼の行為はむしろ仕事に誠実とも言えるのだと気付かされました。

最後に、煙たがられがちな仕事を担当している皆さん、あなたの仕事への誠実さは、必ず組織の成功につながっていますよ。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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