「困ったひと」を変えることはできないが、「困ったこと」は改善できるー困ったことを解決するためには、「ひと」ではなくて「こと」に焦点を当てる。

家庭でも職場でも、友人との間でも、親族間でも、いつでも困ったことは持ち上がるものです。

何度注意してもルールを守らない年上のベテラン社員、平気でドタキャンする友人、、、そういう困ったことを解決したいとき、ついつい困ったことを引き起こす「ひと」にフォーカスしていませんか?

「どうして(あなたは)何度も注意しているのに、ルールを守ってくれないのかしら?」
「Aちゃん(は)、平気でドタキャンするよね!」

この場合の主語は「あなた」。主語が「あなた」だと、なにか責めている感じに聞こえませんか?ついでに「あなた」は責められて心を開くどころか、防衛的になって心を閉ざしてしまう。問題が解決するどころか膠着してしまいます。

そんなとき、視点をちょっとずらして「こと」に着目してみましょう。ベテラン社員がルールを守らないことで起きている困ったことを提示して、その解決を一緒に考えるというスタンスに、友人が頻繁にドタキャンすることで起きている困ったことを提示して、どうしたらこの困ったことを回避できるのか、一緒に考えるスタンスに立つのです。「ひと」に着目せず、「こと」に着目すると
1)困った相手から視点がずれるので、一呼吸おいて落ち着くことができる。
2)相手も自分が責められるわけではないので、防衛的にならず落ち着いて対応できる。
3)その結果、問題を解決してより良い関係になるという、同じ方向を向いてコミュニケーションができる。

私達はついつい目の前のことに飛びついてしまいがちですが、中長期的視野に立ってより良い人間関係を築けるコミュニケーションの方法を考えることが大切かなと思います。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。