こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。
先日、会社では管理職でもある知人と、部下とのコミュニケーションについて話をしていました。もう笑っちゃうほど典型的な余計な話はしないタイプなので、私は思わず吹き出して「それじゃあ、部下の人は話したくても気楽に話ができなくてつらそうですね」と、率直に感想を言いました。
「でも、急にコミュニケーションのパターンが変わったら、気持ち悪がられるんじゃないの?」というのが知人の言い分のようでした。
それはもちろん、ほとんど言葉も交わさなかった人が、急にニコニコと近寄ってきて「おはよう。今日も頼みます!」などと言ってきたら?
周囲の人は内心ギョッとして、だれでも「どうしたんだ?」と思い、警戒しますよね。それが当然の反応です。
そう!それが当然の反応なんです!!
だから、「でも、急にコミュニケーションのパターンが変わったら、気持ち悪がられるんじゃないの?」という質問に対する答えは、「当然ですよ。気持ち悪いと思われるに決まっているじゃないですか!!」なんです。
なぜ気持ち悪い!と思うのか?
人は太古の昔から、いつもと違うこと、ネガティブな直感、良くないことに敏感でなければ生き延びられませんでした。今私達がこうしているのは、いつもと違うことに警戒し、それが自分たちの命に関わることなのかどうかを見極めてきたからこそなのです。
だから、ある日突然上司がいつもと違うコミュニケーションを取ったら、当然驚き、激しく警戒するのです。
その部下の反応を見て、ほとんどの人は不貞腐れ、イジケます。
「なんだよ!普段は『もっと気さくな上司でいてほしい』とか言うくせに、こっちが本当に頑張って変わろうとしたら、これだよ!!」
これが、伝え方を変えようと思ったときの第一の壁!
ほとんどの人はこの第一の壁にぶち当たって、くじけ、「頑張ったのに」と失望し、元のコミュニケーション方法に戻っていきます。本当はここからなんですけれどね。
「ここからだ」と思うためには、「周囲の人の反応は当たり前のことなんだよ」「だからここで失望しちゃつまらないよ」「もう少し続けてみようよ」と背中を押してくれるサポーターが必要なんですね。
「本当はここから」とは?続きは次回のブログで。