伝え方を変えようと決心したときにくじける、第二の壁

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれるまでしっかり寄り添います。

職場の生産性を上げるために、コミュニケーションスタイルを変えることをアドバイスすると、かなりの確率で「急にコミュニケーションのパターンが変わったら、気持ち悪がられるんじゃないの?」という質問を受けるという話を前回のブログで書きました。

その答えは「そう!それが当然の反応なんです!!そりゃあ気持ち悪がられますよ!」

「でも、ここからなんですけれどね」というのが私の言い分で、今日はなぜ、ここからなのか?という話です。

人がものごとを受け入れるのには段階があります。例えば、エリザベス・キュープラー・ロスが、深い悲しみから回復していくためには

①否認と隔離→②怒り→③取引→④抑うつ→⑤受容

という段階があることを明らかにしました。これと似たような、気持ちの変化には段階を踏む必要があるということが、私達の周りにはたくさんあります。

いつもは仏頂面でほとんど雑談をせず、口を開けば至らない点ばかりを指摘する人がいたとします。その人がコミュニケーション研修を受けて「そうか、心理的安全性が大事なんだな。至らない点を指摘するばかりでなく、良いところを褒めるんだな。そう言えばほとんど褒めるということをしてこなかったな。時代は変わったもんだ」と理解しました。

ある日、出社したときにたまたま出社日が同じだった部下の一人に話しかけてみました。

「よう、顔を合わせるのは久しぶりだな。君の上のお子さん、女の子だったよな。ご家族は元気か?やっと少ししのぎやすい気候になってきたね。連休はどこか行く予定はあるのかな?そう言えばこの前の資料、とても良くできていたよ。」

普段はほとんど部下と話すこともない。いつも仏頂面。挨拶をしても返事もない。ちょっとでも不手際があると「どうして、もっと確認をしないんだ?」「どうしてそんな勘違いをしたんだ?」と問い詰めてくるのに、急にどうしたんだ???

部下が最初に感じるのは、前回のブログでもお話した通り、強い警戒心です。いつもと違うことに対して警戒する。これはもう、人としての防衛本能です。

そうすると頑張っていつもと違う接し方をした方も、がっかりするわけです。その部下の反応を見て、ほとんどの人は不貞腐れ、イジケ、伝え方を変えることを止めてしまいます。これが第一の壁でした。

さて、「ここからなんですけれどね」というのは、イジケながらも、部下の不審がる表情にメゲながらも、一旦変えてみようと思ったら継続するということです。

これは結構しんどいです。なぜなら、受け入れられていないのがわかりつつ継続するのは誰でも辛いものだからです。でも、この段階でやめてしまったら、「やっぱりあの上司は気分屋で困るよ。あるときは仏頂面で、自分の気分で猫なで声を出すんだから」という、ありがたくない不本意な評価までついて回ってしまいます。

だからここが踏ん張りどころ。少なくとも数ヶ月は継続しましょう。これが第二の壁です。

徐々に、あなたの周囲の人は「なんなんだ!?この急激な変わりようは?」という防衛的な反応から、「変わらなきゃ、と思っているのかな?でも、本質的には変わらないかもね。いつもとに戻ってしまうんだろう?」という段階を経て、「へえ、本当に変わったんだな」という安心感を抱いてくれるようになるでしょう。

人は何十年もかけて自分のコミュニケーションスタイルを築いていくもの。だとしたら、変わっていくのにも、同じくらいの、とまでは言いませんが、それ相応の年月がかかることは覚悟しましょう。だからこそ、続けられるような小さなことから始めるのをおすすめします。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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