フィードバックは一回に一つ

脳って案外怠け者なんです。そう聞くと意外ですか?

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。限りあるエネルギーを本当に大切なことに使うためのコツをお伝えしています。中心はコミュニケーションや上手な時間管理・習慣化。

特にコミュニケーションでは、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴うなかでも協調していくための伝え方のコツをご提案しています。「頭でわかった」ではなく、実際に身につき日常で使えることを目指します。

改善点をいくつも言われると途端に考えるのを止めてしまう

あるプレゼンテーションの場で、プレゼンターが審査員からコメントを受けていました。非常にやる気のあるプレゼンターだったのでコメントを聞くときも集中しているのが伝わって来ました。

一方の審査員もこれまたやる気のある人だったので、よりプレゼンテーションが良くなるようにコメントをしていました。審査員がたくさんコメントを言ってどんどん熱くなる一方で、プレゼンターはどんどんテンションが下がっていく。

あれれ、この奇妙な対比は何だ?

そうなんです。あれもこれも・・・と改善点をフィードバックされると、次第に「理解する」「内容を吟味する」「判断する」ということを止めてしまうんです。

フィードバックは一回に一つ

まさか!せっかくコメントしてくれているのに失礼じゃありませんか!と思いましたか?これは失礼とか失礼じゃないとかいう話ではなく、誰でもそうなるということなんです。

プレゼンテーションや話し方のスキルでよく言われることですが、「コメントは3つです」「話したいことは2つあります」とまず言うようにというアドバイスがありますよね。

これもあらかじめ「3つあります」と予告されると、私たちは頭の中で「ひとつ、ふたつ、みっつ」と数えながら聞くことができます。この場合のポイントは、ひとつめ、ふたつめ、みっつめのコメントはそれぞれ簡潔に短くするということ。「いつになったら2つ目がでてくるんだよ!」というくらい長いと、もう私たちの頭は混乱するからです。

同様に、これは大切という一つのポイントをしっかり伝えることも有効です。言いたいことはたくさんあるけれども、「これ」という一つをしっかり伝える。相手は安心して話に集中できます。

ぜひお試しください。

この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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