ニーズに気づく

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産業医歴9年、延べ4000人のお悩み解決実績。

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頑張ったことを認めてほしい

先日、友人と話をしていたときに、はた!と気づいたことがありました。それは「頑張ったことを認めてほしい」という私の中のニーズ。

あなたもこんなふうに、「今でもこんな子どもみたいな願望残っていたんだ!」と驚いたこと、ありませんか?

私も今回驚きました。このような「頑張ったことを認めてほしい」という思いはニーズと言います。

ニーズとは?

ニーズは、英語の「need」の複数形、needsです。ニーズは一度満たされるとそこで満足すると言われています。だから子どもの頃に安心安全な環境で、自分の欲求が満たされることが重要なんですよね。

でも、多くの人が必ずしも欲求が満たされて育つわけではありません。

満たされなかったあなたの欲求は、ずっとあなたのなかで「満たされたい」「満たされたい」という思いとともに残り続けます。あなたのニーズが満たされないとどうなるでしょう。イライラしたり焦ったり、不安な気持ちを引きずったりします。そして人は満たされない自分のニーズを満たそうとして行動を起こすことがあるんですよね。これが実は問題なんです。

自分のニーズに気づいたきっかけ

今回、私がこの自分のニーズに気づいたきっかけは、友人と話をしていたときの何気ない会話。そのとき私は、最近はじめた新しい試みについて話していました。

私「新しいことって私にとっては大変なの。でもこんなふうにやっている」

友人「あなたは慣れているからサクッとできるのね」

私「違うよ!慣れてなんかいないよ。難しいことだから必死にやっているんだよ!」

友人「そうなんだ。でも、慣れてるんだよね。良いですよね、サクッとできて」

私はムキになっていました。なぜだろう?片手間に、他のことをしながら聞いている友人に対してムキになって「頑張っているんだよ」と言いながら、ふと気づいたのです。

自分の中に「頑張ったことを認めてほしい」というニーズが眠っていること。

認めてほしかったんだ、小さな私。

ちゃんと私の話を聞いてほしかったんだ、小さな私。

問題なのはニーズそのものではない

問題なのはあなたのニーズそれ自体ではありません。問題なのは、あなたが自分のニーズを理解しないまま、「無意識に行動していること」です。

例えば、前述のわたしの場合でいうとどういうことでしょう。

「サクッとできていいよね」と軽く流されると、私はムキになってしつこく「そうじゃない、苦手だけど、こんなに頑張ったんだよ!」としつこく何度も何度も相手に言うわけです。相手は驚きますよね。でも、「あ、これが本間の満たされなかったニーズなんだな」なんて理解してくれるはずもありません。

「何なんだよ、この人・・・急にムキになって」「何だよ、この人。うざい・・・」と思うだけです。こういうことがあると、人間関係にヒビが入ったり、「あの人ちょっと変だよ」「変わってるよね」と良くない評判が立ったりしてしまいます。

あなたが自分のニーズを理解しないまま無意識に行動してしまうと、思いもかけない結果になってしまうのです。

自分自身のニーズを意識すると

では、どうしたら良いのでしょう。

自分自身のニーズに気づき意識することがいちばん大切なんですね。私の例でいうと、「慣れているからサクッとできて良いね」と軽くいなされたとき、やはりムカッとします。これはまだこのニーズが満たされていないから。

自分自身の満たされないニーズに気づき意識することができていれば、ムカッとした瞬間に、「ああ、これこれ。満たされないニーズが満たされたい!って言っているんだな」と立ち止まることができます。何度も何度も「違うってば!慣れているっていうけど、全然そんなことないんだからね。大変だけど、すごく頑張ったんだってば!」ということはなくなるのです。そうすれば、相手との関係が壊れるリスクも格段に少なくなりますよね。

そして、時間をかけて満たされなかったあなたのニーズを適切に満たせばいいのです。

もっと前に気づけていたら良かったけれど

本当はもっと前に気づけていたら良かった。不必要に相手に食って掛かったり、ムキになって自分が疲れたり、友人を遠ざけたりすることもなかったかもしれない。

・・・・でも、今気づけてよかった。

自分の中のこの満たされなかったニーズを、どうやったら「大人の自分が」満たしていけるか考えられるから。子どもの頃には無理だっただろうけれど、大人となった今の自分なら、どうやって満たしていったら良いか、考えられる。

そして、ニーズというのは一旦満たされればそれで満足するものだから。

ムキになったり、いつまでもモヤモヤしたりするとき、相手の言動がそうさせると思いがち。でも、このやりきれない思いは自分のニーズから来ているのかもしれないということを考えてみても良いかもしれません。

あなたの中の小さなあなたが叫んでいるニーズはありませんか?

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。