話が長い人、いますよね。
かくいう私も時々話が長くなってしまって「誰か止めて〜!」という状態になります。「誰か」じゃなくて、止めるのは「自分」なんですけどね(苦笑)。
こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかでも協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれることを目指します。
話が長くなる人には2種類ある
話が長くなるのには、ざっくりつぎの二通りがあるのではないでしょうか?
1)自分大好き!ずっと自分の話をしている。自慢話なども多いですね。
2)文字通り、話しているうちに話が止まらなくなってしまう。
先日、友人たちと話をしていて職場のコミュニケーションの話になりました。メンバーの一人が、「どうしても上司の話が長くなるのよね。上司は思いっきり話をしてスッキリするだろうけれど、部下の方はつらいわよね」と言いました。
私は「おや?」と引っ掛かりを感じました。どこに引っかかりを感じたかというと、「上司は思いっきり話をしてスッキリする」というくだりです。本当にスッキリしているんだろうか?
話が長くなる人の上記の分類で、1)自分大好き!の人たちはたしかにスッキリするかもしれません。
しかし、2)話しているうちに話が止まらなくなってしまうというひとは、どうでしょう?
話が止まらなくなる、3つのケースとは
話が止まらなくなるということは、
1)一つの話を何度も繰り返し話している。
2)話の核の部分だけを伝えれば良いのに、どんどん周辺に話が広がっていく。
3)相手が黙って自分の話を聞いている姿を見て、自分のパワーを感じる。
という可能性があります。3)は論外ですね。マウンティング、モラハラの匂いがします。こういう場合はできる限り早めに距離を取りましょう。
いずれの場合も共通しているのは、「途中で止められない」ということでしょうか?
「その話、5サイクル目です」と言いたくなるくらい、同じ話を何度も繰り返し話をする人。何回も別のときに同じ話をするのとは違います。一回の会話の中でくるくると同じ話を繰り返す、という意味です。途中でやめようと思えばやめられるはずなのに、気づくことなく話し続けている。
話がどんどん周辺に広がってしまって、何を言いたかったのか全くわからない人。そもそも何の話だっけ?と言いながら、それでも話し続けている。
この人たちは果たして本当にスッキリしているのでしょうか?
気がかりが小さな負の感情を引き出す
私もご多分に漏れず、似たりよったりのことをしています。その経験でいうと、長く話せば話すほど、自分の中の負の感情が刺激されやすくなります。負の感情と言っても、怒り、悔しさなどのような大きく激しい感情というわけではありません。
「本当にわかってくれたのかな?」
「大丈夫かな?」
「伝わったかな?」
「そういえば、この前もヒヤッとしたことがあったな。あれも注意しておいたほうが良いな」
というちょっとした気がかりくらいのことです。
そうすると、そこを埋めようとして話をする→また気がかりが生まれる、という良くない循環が生まれます。それが延々と話し続けるという形で現れます。
決して、長く話せば気分がスッキリするわけではないというのが私の考えです。むしろ、長く話せば話すほど、自分の中で気がかりが生まれやすく、話を収束させることが困難になります。
ではどうしたら良いのでしょう。
話を簡潔にまとめる2つの方法
私のおすすめの第一は、10言いたいことがあっても、1か2でさっと話を止めるということです。言い足りないな、くらいで相手にとってはちょうどよい。
第二に、常に落とし所を考えながら話をするということです。落とし所がない話はさっさと切り上げる。落とし所がない話は、一体どこが着地点なんだろうと、聞いている方も不安になりますよね。
この2つを意識するだけでも、話をする方も、話しすぎたあとのなんともいえない重苦しさがなくなります。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。コミュニケーションでも同じですね。