傾聴

これまでに一度だけ、傾聴してもらったことがあります。20年以上も前のことです。その人のことは以前から知っていましたが、じっくりと話したことはありませんでした。友人の家でのパーティで一緒になり、その後、話をするようになりました。遠くから見ていた時は、その人はせっかちで自分もよく喋る人という印象でした。

ある時、私のこれまでの話になりました。その人は黙って、辛坊強く、時折相槌を打ちながら、「そう、、、」「へえ、、、」「大変だったんだね、、、」と、一切の判断や解釈をすることなく、さりとて無関心で形式的に合いの手を入れているのでもなく、私の話に関心を寄せていると感じられる相槌で、話を聞いていました。結局、話し終わったのは4時間あまりも後のことでした。

自分の話を遮られることもなく、自分がもう話し終わりました、もう満腹です、と納得するまで聞いてもらったことは多分初めてでした。あれが傾聴というものだったのかもしれません。

幸せな体験をしたのだな、と思いました。きちんとお礼も言わないまま疎遠になってしまいましたが、連絡をとってみようかな、という気持ちになりました。そして、私も他の誰かに同じことをして、当時の分のお返しをしなければいけないな、と心に決めました。

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この記事を書いた人

本間 季里

企業、個人へのストレスマネジメントを行っている本間 季里です。小児科臨床医、免疫学の基礎研究者として合計26年、その後、新しい大学院教育の立ち上げなどに従事した間に、ストレスマネジメントの重要性を感じました。そこで、カウンセリング、コーチング、個人並びに企業への研修などを通じて、ストレスマネジメントを直接お伝えすべく、2017年1月にフリーランスとして独立しました。詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。