人権って、実は隣の人の人権では?

世界人権デーは12月10日と決まっているそうなんですが、私にとっては8月が人権について考えることが多い時です。

なんでかって?長崎で18年も仕事をしていたので、8月は広島・長崎原爆の日や終戦の日があるからです。

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかでも協調していくための伝え方をご提案します。「頭でわかった」ではなく、実際にやれることを目指します。

初めて長崎で8月を迎えたとき、職場だった長崎大学医学部の講堂で原爆犠牲者慰霊祭に参加しました。いままで知識として知っていたことと、遺族の言葉を間近に聴くこととの大きな違いを実感しました。長崎大学医学部が爆心地のすぐ近くにあったため、学生・教員・大学病院のスタッフ合わせて多数の犠牲者を出していたこと、ご存知でしたか?

医学部のキャンパス内には犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑もあるんですよ。毎日そういうものを目にしながら仕事をするのは、歴史上の事実として知識があるというのとはまた違うものです。

そういうこともあってか、いつからかは明確ではありませんが、人権とは自分と隣の人の人権なんだよな、と思うようになりました。

遠くの国の女性や子どもに思いを馳せて、人権について考えるのも大事。なぜならそういう人たちは、自分たちが人権を侵されているなんて思ってもみないだろうから。こういうものだと受け止めて日々を必死に生きているだけかもしれないから。あなたにはこういう権利があるんですよ、と伝えていくことで、現状から抜け出す人も出てくるからです。

でも、一人ひとりが自分の隣の人の人権のみでいいので気を配っていたら、数珠つながりで世界中の人の人権が見守られ大切にされるってことだよな、と私はイメージしているわけです。

●今の日本だったら、隣の子どもの虐待が疑われる場合、間違いでもいいので見て見ぬふりをしないとか。

●DVを受けているのかなと思ったら、ひと声かけて「私は気づいていますよ」という存在が身近にあることを伝えるとか。

●職場で同僚が理不尽な目にあっていたら、その人に声をかけるとか、自分が誰かに相談してみるとか。

そんなことで世界は変えられないじゃん!と思う方もいるかも知れませんが、別に世界なんて変えなくて良い。変えなきゃ意味がないと思うから動けなくなる。

隣の人に「ひとりじゃないよ」「あなたの人権のことを気にしているよ」「あなた、人権侵害を受けているんじゃない?」というメッセージが伝わればそれで良し。

相手は「大丈夫です」「誤解です」と言うかもしれない。それならそれで、さっさと引き下がる。でも、ちょっと気にして見守る。

人権ってそんなライトな感覚で捉えても良いんじゃないかなと思うのです。

そういう目で見ると、ちっちゃな人権侵害って身近にたくさんあると思いませんか?

●他人の心に土足でズケズケとか。

●度の過ぎたおせっかいとか。

●「あなたのために言っているのよ」と言いつつ、自分のためだったりとか。

●マウントを取って自分の優位性をアピールするとか。

自分の心のパーソナルスペースを侵害されているのだって、権利の侵害だと思うなあ。

あなたはどう考えますか?

この記事を書いた人

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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