人は褒めたらつけあがる?

産業医・伝え方コーチの本間季里です。

「言わなくてもわかるでしょう」
「褒めてほしいなんて甘えるな」
「褒めたら、あんた、人ってのはつけあがるもんだよ」

最近、おおっぴらにこういう人は減ってきたけれど、ある年齢層以上の人の中でこう思っている人はまだまだ多い。そして、そういう世代がいまも中心的な立場です。

人は褒めたらつけあがるのか?

上記のようなことを言う人々に合わせようと過剰適応している人は、たとえ年齢が若くても同じような考えに染まってしまいます。

悲しいかな、こういう方々は「ねぎらう」「褒める」「感謝の言葉を伝える」「ポジティブなフィードバックを伝える」などの区別もつかなくて、ちょっとポジティブなことは全部ひっくるめて「褒める」になっている場合が多い。

一方、感謝の言葉を伝えられたり、ねぎらわれたりしたら誰でも嬉しいものです。その嬉しさを表現すると、こういう方々は「つけあがっている」と受け取る。つけあがっているんじゃなくて、一時的に舞い上がっているだけなのでしょうけれどね。

褒められたくて仕事をしているわけじゃないけれど

産業医面談で、過労で体調を崩している人の話を聞いていると、

褒められたくて仕事をしているんじゃないんです。でも、「おつかれさん」「大変な仕事だったね」「ありがとう」こういう一言があると、頑張れるんです。だって、忙しい事情はわかっているから。

という話もよく聞きます。

上記の「褒められたくて仕事をしているんじゃない」といっている人が求めていることは、褒め言葉じゃないですよね。単なるねぎらい、感謝の言葉。こういうねぎらいの言葉一つで、人の気持ちは大きく変わります。

ねぎらいや感謝の言葉が頻繁に飛び交う職場

ねぎらいや感謝の言葉が頻繁に飛び交う職場は、コミュニケーションの土台が強固になります。一方、こういう言葉が少ない職場は、やはりコミュニケーションの土台が脆弱ですから、その上に何かを築こうとしてもあっさり倒れてしまいます。

建築物も、勉強も、語学も、基礎、土台が大事。コミュニケーションにおいては、日ごろのねぎらいや感謝の言葉がどれほど頻繁に交わされるかというのが基礎となります。

普段十分ねぎらわれているからこそ

ねぎらわれるに足ることをしたときは十分ねぎらってもらえるからこそ、自分がミスをした時には注意に耳を傾けられるのです。

うちの職場は、誰もねぎらいや感謝の言葉がないんですというあなた。

誰から行動を始めますか?

いつから行動を始めますか?

ねぎらいの言葉を相手に伝えることで、気持ちがポジティブになるのは相手だけではありません。あなた自身もポジティブな気持ちに満たされるでしょう。

この記事を書いた人

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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