人物に着目するのではなく、問題そのものに着目する。

何か問題に直面すると、その問題を起こした人物についつい目がいって、「どうしてこういうことが起きたのか?」「なぜ、こうしなかったのか?」「注意が足りなかったのでは?」などという展開になることが多いのではないでしょうか。当然、自分が何か問題を引き起こしたときも、相手が同様の反応をするに違いないと思い、「なぜ、私はこうしなかったのか?」と自分を責めることが多いのではないかと思います。

人間は「責められる」と感じると、反射的に自己防衛しようとする生き物です。自己防衛する姿を見ると、「素直に何故認めないのだ」と相手の怒りをさらに掻き立ててしまい、物事は悪循環になってしまいます。

アサーティブを学ぶ中で、もっとも日常的に役に立っていることの一つが、この問題解決の際に「問題を起こした人物に注目するのではなく、起きた問題そのものに着目する。問題を起こした人物は、ともに問題を解決する協力者という位置づけで考える」ということです。相手を責めたくなる気持ちをちょっと横に置いておき、一緒にこの問題を解決しましょう、というスタンスを保つということです。

責められない、ということが伝わると、問題解決に力を貸してくれるようになります。そして、多くの場合、自らの反省点にも目が行き、今後の進め方などを考えるようになります。自分の内側から出てきた反省でなければ、あまり今後の役には立ちません。同じエネルギーと時間を使うなら、今後に役立つように使いたいものです。

伝え方に興味がある方はぜひ、ご登録ください。読むだけで、伝え方に関する視点が増え、知らず知らずのうちにあなたの伝え方が変わっていきます。

産業医・伝え方改善コーチ・本間季里のメールマガジン

キンドル出版しました

産業医として、伝え方コーチとして、毎日たくさんの方の話を聞いてきた経験を元に、「自分が疲れない話の聞き方のポイント」についてまとめた本です。
相手の役に立ち、親身に寄り添うことで、温かい関係性を作りながらも自分が疲れずに関わっていくためのコツが書かれています。
特に、身につけるスキルよりも、手放すとうまくいく考え方に多くのページを割いて、わかりやすい事例とともに解説しました。

この記事を書いた人

アバター画像

本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

詳しくはこちらのプロフィールをご覧ください。