上昇気流に乗るために必要なこと

現状維持ができていることはまず立派です

昔、私が働いていた職場の同僚と学生がこんな会話をしていました。

学生「今年も現状維持で、ちっとも進歩していない・・・」

同僚「なぁに言っとるの!現状を維持するにもエネルギーが必要なのよ〜。まあ、白鳥がゆぅったり水面を流れているように見えても、水面下では足を必死にバタつかせているっていうのとおんなじわけよ〜。だから現状維持できているってことは立派なことよ〜」

おお、おじさん(同僚のこと)!良いこと言うやんか!と感激。

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。限りあるエネルギーを本当に大切なことに使うためのコツをお伝えしています。中心はコミュニケーションや上手な時間管理・習慣化。

特にコミュニケーションでは、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴うなかでも協調していくための伝え方のコツをご提案しています。「頭でわかった」ではなく、実際に身につき日常で使えることを目指します。

同僚のおじさんが言う通り、現状維持できているだけでも立派です。まずそこはしっかりと押さえておきましょう。

ポジティブ・フィードバック

現状維持するだけでも立派だけれど、できれば少し上昇気流に乗りたい。そんなときに助けになるのが、他者からのポジティブ・フィードバック。

ポジティブ・フィードバックって、なにも褒めなくてもいいんです。「あ、良いね」と思ったことを、「それ、良いと私は思う」と伝えること。

このポジティブ・フィードバックがないと、人は徐々にネガティブ評価になっていってしまいます。例えば、スッキリと見やすい資料を作ってくる人がいるとします。もちろん内容の点で修正が出るのは当りまえですが、資料の見た目がスッキリとしていて、文字の大きさのバランスや行間などがとても見やすい。

担当者にしてみれば何気なくやっていることかもしれない。でも、「内容はともかく、全体のバランスが見やすくて良いな」と思ったら、「あなたの資料って、文字の大きさのバランスや行間の取り方など、すごく見やすいよね。なにか参考にしているものでもあるの?」と一言伝える。

これも、ポジティブ・フィードバックです。大げさに褒めることではない。でも、ちょっと「いいな」と思ったことをそのまま伝える。

人間は一人では生きられない。なぜなら・・・

そういう意味で、人は一人では生きられないのですよね。自分がやっていることは自分にとっては当たり前。でも、それが他者にどう写り、どう他者との違いがあるのか?どう優れているのか?ということは他者からのフィードバックがなければ知ることはできません。

自分以外の人のフィードバックを通じて初めて、鏡に映すように自分というものが見えてくるものです。

日本はポジティブ・フィードバックが少ない文化風土があります。私の父は「褒めたらつけあがる」とよく言っていました。そういう考え方は悲しいなと思っていました。

つけあがるかどうかは、相手の器。人それぞれです。ポジティブ・フィードバックする側が考える必要はないのでは?

中にはつけあがる器の小さい人もいるでしょうが、多くの人は上昇気流に乗れるのではないかなと思います。

ポジティブ・フィードバックを積極的にしてみませんか?

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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