言わなきゃわからないんですよね

私は仕事柄、毎日沢山の方と話をしますが、最近ちょっと気づいたことがあります。それは立て続けに複数のクライアントさんから「やっぱり自分の状況は周囲に言わなきゃ、周りの人もわからないですよね」ということば。

こんにちは。産業医・伝え方コーチの本間季里です。限りあるエネルギーを本当に大切なことに使うためのコツをお伝えしています。中心はコミュニケーションや上手な時間管理・習慣化。

特にコミュニケーションでは、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴うなかでも協調していくための伝え方のコツをご提案しています。「頭でわかった」ではなく、実際に身につき日常で使えることを目指します。

「言わなくてもわかるでしょ」から「自分から言わなきゃわからないですよね」へ

どちらかと言うとこれまでは、「言わなきゃわかんないって、それ、なんですか!」「言わなくてもわかるでしょ」という言葉のほうが多かった気がします。

もちろん、ビジネス書など、機会あるごとに文章やセミナーや研修で、さんざん「言わなければ相手に通じません」ということは言われてきました。でも、日々の生活のなかで当たり前のようにこの言葉を聞くことは少なかったように思います。

世の中はまだまだのところもたくさんあるけれど、確実に変わっていっていますね。

言わないでいると、周囲は助けようがないですよね

冒頭のクライアントさんは、忙しさや、新しい業務でわからないことがたくさんあって戸惑っていることなどを「自分の努力でなんとかしよう」と頑張っていました。頑張っている姿を見て、周囲のベテランがサポートしてくれると心のどこかで期待もしていたと話してくれました。

でも、「どんなにベテランであっても、だれもが日々の業務でいっぱいいっぱいなんですよね。だからこそ、自分から『困っている』『教えてほしい』『体調が優れないので業務内容の見直しの相談に乗ってほしい』と伝えなければ、やっぱり周囲には伝わらない。自分から言っていくことが大切なんだと気づきました」ということでした。

「伝わらなきゃ、周囲も助けようがないですよね」

自分から周囲に伝えていくことも大切

人間はエスパーじゃないから、黙っていてもわかるなんていうことは基本的にはありませんよね。一生懸命に推測しても見当違い!ということもたくさんあります。

一生懸命に推測することも大変なエネルギーを使います。その挙げ句にそれが見当違いとなったら・・・これまでそういう行き違いがたくさん起きてきました。

例えば、子育て中の女性は大変だろうからと、勝手に年配男性上司が配慮し、あまり仕事を回さなくなった。女性部下はむしろやる気をそがれ、転職してしまうということが、社会的にも話題になりました。

だからこそ、周囲は本人の言葉を直接聞くようにする。そしてそれだけでなく、自分のことは自分から周囲に伝えていくことも大切なんです。

基本的に人間は、「言わなきゃわかんない」のです。

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キンドル出版しました

産業医として、伝え方コーチとして、毎日たくさんの方の話を聞いてきた経験を元に、「自分が疲れない話の聞き方のポイント」についてまとめた本です。
相手の役に立ち、親身に寄り添うことで、温かい関係性を作りながらも自分が疲れずに関わっていくためのコツが書かれています。
特に、身につけるスキルよりも、手放すとうまくいく考え方に多くのページを割いて、わかりやすい事例とともに解説しました。

この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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