新人、素人にも役割がある!

産業医・伝え方コーチの本間季里です。

新しい人が職場やチームに入ってくると、もともとのメンバーにそれぞれに役割が与えられますよね。新人の指導係とか、新しく入ってきた人がスムーズに業務を始められるような事務的なサポート係とか・・・

一方、新しい人は経験がまだないから役割などないと感じている人も多いかもしれませんね。でも、本当に経験が少ない人でも役割はあるんですよ。いえ、経験がないからこその役割があるんです。

研究のド素人だから求められた意見

私がまだ、若手医師だったときのことです。研究グループに配属されたばかりの頃でした。医師としては数年の経験はありましたが、研究では全くのド素人。

学会発表前のプレゼンテーションの練習でよく意見を求められました。もちろん先輩医師たちも意見は言います。

私には質問なんて何も思い浮かびません。一方、先輩医師たちは鋭く、的を射た質問をしていきます。私は絞り出そうにも質問なんてでてきやしないし、途方に暮れました。

ド素人の私の意見が重要だった理由

それでも、質問をしろとよく言われました。その理由は、私のように経験が浅い、素人に限りなく近い人にもわかるプレゼンこそ良いプレゼンだから。

どこがわからないのか、それとも全くわからないのか、素人に一番近い私の意見がとても重要だというのです!

だから、どんな質問より私の質問が大事なんだ、と。素人に近い私にも大切な役割はあったのです。

その役割を与えた理由を明確にする

「素人に限りなく近い人にもわかるプレゼンこそ良いプレゼン。だからどこがわからないのか、それとも全くわからないのか、素人に一番近い私の意見がとても重要だから意見を求めている」という理由を明確に伝えられないまま、ただ「意見を言え」と言われていたら、当時の私は吊し上げを食らっていると思ったかもしれません。

上記のようにはっきりと意見を求める理由を説明してもらったからこそ、「今の自分の素朴な意見こそが求められている」と理解して、わからなかったところをあれこれと伝えることができました。

が、もちろんその場では「え?そんなことも伝わらないのか!」と驚愕の声があがったのはいうまでもありません・・・まあ、当時の私も知らなすぎたんですけれどね。このように、新人や素人にも重要な役割があるんですよね。

新人に役割を持ってもらうことは重要です。所属している職場・チームに居場所ができ、自分の足元がしっかりとするからです。それは職場への安心感にも繋がります。

その際に、その役割は何をすることのか、なぜその人なのかを明確にすることが大切ですね。

この記事を書いた人

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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