会議で発言しないやつは出席する資格はないのか?

産業医・伝え方コーチの本間季里です。

ビジネス書やビジネス雑誌の記事などを読んでいると、「会議で発言しないやつは、会議に出席する資格はない」と書かれています。正直、私はこう言われるとしょげてすごすごと退場しなくてはならない側の人間。

でもこれ、本当なんだろうか?こんなふうに単純に言って良いのだろうか?

「会議で発言しない」にも、いくつかパターンがある。

 

一口に「会議で発言しないやつ」と言っても、いくつかのパターンがあります。

1)やる気がなくて、「ただそこに存在してりゃ良いんだろ?」というタイプ。

2)会議で話し合われていることがらに対して、全体像がつかめないとなかなか意見や質問ができない。いわゆるインプットを十分してからはじめてアウトプットできるというタイプ。

3)内省が優位なタイプ。黙っているので何も考えていないように見えてしまうが、実際には脳内はフル回転。十分考えてから意見や質問をする。

 

多分、ビジネス書やビジネス雑誌の記事で言っているのは、1)の「存在だけしてりゃ良いんだろ?」タイプの人のことではないでしょうか?そりゃたしかに困りますよね。

一方、2)や3)のタイプの人が、急かされるように「会議で発言しないやつは出席する意味がない!発言しろ」と迫られると、頭はフリーズします。迫るのは得策ではアリません。

 

自分を知ることが大切

 

まずは、自分が1)なのか、2)、3)なのか理解することが一番ですよね。ここは、他人にはわからない部分です。

ちなみに私は2)のタイプです。新しい話になると、全体像がつかめるまで全く意見や質問が出てきません。ネットワークが繋がっていない感じなのです。「自分はアホなのではあるまいか」と何度思ったことでしょう。

ところがある程度時間が経つと、頭の中でネットワークが繋がった感じがします。そして、いろいろと意見や質問が出てきます。インプットに時間がかかるタイプなのですよね。

また、私は情報をインプットするときに視覚優位であり、聴覚から情報を取り込むのが苦手です。だから、話を聞いてササッと理解するよりも、資料を見たり実物を見ることで理解が進みます。だから学会発表などでプレゼンテーションを聞いても、中身をちっとも理解できませんでした。「自分はアホなのではあるまいか」と、ここでも何度も思いました。

 

自分のタイプを知ることで、むやみに他人と比較して落ち込むこともないし、焦ることも少なくなりました。

相手を知ることが大切

自分を知ることの次に大切なのは、人は情報の取り込み方も、その処理の仕方も人によって違うということを理解すること。

 

会議で黙って座っていたとしても、それぞれの脳内で行われていることはかなり違います。十把一絡げに「会議で発言しないダメなヤツ」と簡単にまとめたくありませんよね。

 

上記の1)〜3)のどのタイプなのだろう、と本人に聞くなりして理解に務めることも大切。安易な決めつけは職場の環境を悪くします。

 

さて、あなたはどのタイプですか?

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本間 季里

少人数の会社でも産業医が必要な理由
産業医・伝え方コーチ:本間季里

「社員一人ひとりが健康的に働き、会社が成長していける職場を目指したい」という理念のもと、心身の健康を支える産業医です。

少人数の職場では、産業医のサポートによる健康管理や職場環境の改善が会社の成長に直結します。そこで、従業員50人未満の会社の産業医業務に特に力を入れています。

私の産業医としての強みは、傾聴、質問、わかりやすいアドバイス、的確な判断の4つのアプローチを組み合わせ、経営者と社員の支援を行っています。10年以上の経験を持ち、日立製作所、長崎大学など、幅広い業種で産業医を務めてきました。

企業規模に関わらず、経営者が経営に専念でき、社員が心身ともに健康で働ける職場の実現を目指します。

資格:日本医師会認定産業医・医学博士
アサーティブジャパン会員トレーナー
コーチングプラットフォーム認定コーチ
Gallup社認定ストレングス・コーチ

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