クリスマスローズ

実家のクリスマスローズが咲きました。

年末に実家に帰るといつもこの花が咲いていて、シックな色合いといい、うつむき加減の花の佇まいといい、心惹かれる花でした。

2年前に母の病気がわかり、10ヶ月の闘病ののちに母が亡くなりました。その間も、亡くなったあとも庭に手が回らず、気がつくと庭は雑草でどこに何が植えられているのかわからないほどになっていました。秋になって、電動草刈機でがんがん雑草を刈り取ってやっとさっぱりしましたが、今度は両親が植えていた草や花もごっそり刈り取ってしまったのでは?と心配になりました。特に好きだったクリスマスローズが咲くだろうかと気が気ではありませんでした。

母が日頃どんな風に庭の手入れをしていたのか、わたしはよく知らないままでしたが、わたしのスマホに残っている写真をみると、一年中なにがしかの花が咲いていたようです。ところが母が亡くなってから1年間は、庭にほとんど花を見かけませんでした。庭の花や草木も、母がいなくなったことを悲しんでいるように見えたし、一方で、母が愛情を注いで大切にしていたものをわたしが引き継げなかったのでは、という思いも引きずっていました。

2月になって少し暖かな日が続いた頃、父と一緒に庭に肥料を撒きました。その肥料のせいか、暖かさのせいか、庭のいろいろな草木が花をつけ始めました。母が亡くなった数日後に一斉に咲き始めた水仙が今年も、そして福寿草が咲きました。それからしばらくして、クリスマスローズが辺り一面咲き始めたのです。こんなところにも、あんなところにも、、、母が、わたしと父の生活を見守ってくれているような気がします。今年は季節ごとに手入れをし、少しずつクリスマスローズが咲く場所を広げていこうと決めました。

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この記事を書いた人

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本間 季里

産業医、伝え方コーチ、ストレングス・コーチ

大学卒業後、小児科医・免疫学の基礎研究者を経て、2017年より、世代の違い・価値観の違い、利害の対立など、葛藤や緊張を伴う難しい関係性のなかで、それでも妥協点を見つけて協調していくための伝え方を提案し、個人と組織の両方にアプローチできる産業医・伝え方コーチとして活動中。

セッション数は7年間でのべ3000回以上、これまで300名を超える方々に伝え方の講座や研修を提供し、満足度が90%以上です。

資格:医師・医学博士・日本医師会認定産業医
NPO法人アサーティブジャパン会員トレーナー

Gallup認定ストレングス・コーチ

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